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差別化戦略のための書籍出版〜成長企業が出版する理由とは?〜

#企業出版
#出版マーケティング
#差別化戦略

成長企業の多くが出版していることを知っていますか?書籍出版によって、ビジネスにどんな効果が期待できるのでしょうか。10万部を超えるベストセラーのビジネス書を数多く生み出した弊社執行役員、中山直基に聞きます。

本が企業の成長のきっかけに?

──なぜ企業が書籍を出版するのでしょうか?

まず、成長企業が出版している代表的な本を見てみましょう。

例えば、株式会社サイバーエージェント代表の藤田晋さんの本、『渋谷ではたらく社長の告白』では、21世紀を代表する会社をつくりたいという夢や、起業して苦労しながら会社を大きくしていく経緯が書かれています。

株式会社ユニクロの代表取締役会長である柳井正さんの『一勝九敗』という本では、数々の失敗の歴史を振り返りながら、失敗を恐れない姿勢や失敗から学ぶことの重要性を語っています。

さらに、電機メーカーであるニデック株式会社(元日本電産)代表の永守重信さんの著書である『情熱・熱意・執念の経営:すぐやる!必ずやる!できるまでやる!』は、18歳でわずか3人の仲間と創業した日本電産が、超精密小型モーターで世界トップシェアを誇るようになるまでのさまざまな苦労や経営哲学が描かれています。

これらはそれぞれ異なる業種・職種の方々が執筆された書籍ですが、「事業や商品に対する想いを一冊の本にまとめている」という点が共通しています。社外に対しても、社内に対しても、創業から現在までの想いや、これからの方向性を書籍を通して伝えられることが、企業が出版する理由だと考えています。

価格とリスクの高い広告から書籍へ

──企業の成長には他の広告宣伝手法もあると思いますが、なぜ書籍出版なのでしょうか。

まず、価格面において書籍出版はコストパフォーマンスが良いと思います。

例えばテレビCMだと、こだわった映像の制作費用で1回あたり〇千万円かけたり、さらに、放映料として何億円もかける企業もあります。

新聞広告だったら、全国紙の一番小さいサイズでも百万以上かかります。全面広告を出そうと思ったら、数千万はかかるでしょう。他にも、都内の電車広告だったら、中吊り広告1週間で数百万円必要だったりします。

こういった広告費用を中小企業やベンチャー企業の方々がおいそれと払えるかというと、難しいですよね。1日や1週間しか目に留まらない一発勝負の広告にお金をかけるのはリスキーであり、なかなか実施に踏み切れないと思います。

それに比べると、書籍出版はコストがかからず、リスクも低い手法といえます。本はリアル書店やAmazonで売られて長く人の目に留まりますし、さらに買って貰えば手元に残ります。使い勝手が非常によく、長く使えるツールだと言えるでしょう。

また、本は出版するだけではなくさまざまな方法で本を活用できます。まず、出版したことをSNSで発信すると、共感してくれた読者が拡散してくれる効果があります。本を読んだデザイナーが図解を作ってくれるなど、読者自身がさまざまなコンテンツを作って発信してくれる場合もあります。

次に、YouTubeの活用です。もちろん自分の公式サイトから発信することもできますし、本の要約を発信しているYouTuberなどに、番組で紹介してもらえる場合もあります。認知度向上に大きく貢献するでしょう。

さらに、出版するとその著者には「本を書いた先生」のイメージがついて、本のテーマの第一人者としての権威性が高まります。その結果、メディアに露出しやすくなり、ウェブメディアや新聞の書評、テレビのビジネス番組などで取材を受けることもあるのです。

「なぜ」を伝える重要性

1冊の本があることで、さまざまな効果が期待できるのですね。

そうですね。人の記憶に残りやすくするためには、事業の手段や製品の特徴を伝えるよりも、「なぜ」を伝えることが最も重要です。

「なぜこの事業をしているのか」「なぜこの商品を販売しているのか」

1冊の本は約200ページですから、それだけあればしっかりと「なぜ」を語り尽くせますよね。

著者の思いが込められた本を読むことによって、読者はその著者(企業)のファンになり、商品やサービスに価値を感じてくれます。高い価格でも購入したいと感じたり、継続して使い続けたりするブランディング効果が期待できます。

また、社員の方が読めば、何を目指している会社なのかが伝わり、自分がなぜ働いているかの意味付けが強くなります。自分の成長やキャリアアップのイメージと、会社の方向性とを一致させることができ、インナーブランディングにもなります。本には、組織も成長させる力があるのです。

書籍の表現方法

──「なぜ」をしっかり伝え、出版後も活用できるようにする。そのためにはどのように本を作っていけばいいのでしょうか。

実際の例をいくつかご紹介します。まずはファンづくりを目的にした場合です。

あるECコンサルティング企業が出版した書籍では、市場の現在、過去、未来を分析していき、対策の部分で自社事例を元に、どうすれば良いかを語っています。未来予測をすることで専門家としてのポジションを取りに行きました。実際に著者は業界の第一人者として取材依頼などが入るようになり、出版後に企業としての業績も上がっています。

他にも、書籍を活用して自分たちの価値を高める場合もあります。ある企業は、競合が多いレッドオーシャンで戦うために書籍を作りました。特定のテーマについて概要を語り、本論で具体的なノウハウを提供し、今後の対策の必要性を訴えかけます。最後にQ&Aを設けて、「いろいろな回答が聞けそうだな」「安心感があるな」と読者に感じていただくことで自社を選んでもらう理由を作っています。

また、エンゲージメントを目的にすることもあります。冒頭紹介した藤田さんや柳井さん、永守さんのように、創業ストーリーを書籍化しました。有名でなくとも書籍に創業ストーリーを盛り込むことで、経営理念や商品開発への想いを、社員や株主、取引先など多くのステークホルダーの方に伝えることができます。それによって、企業が目指す夢を共有し、同じ方向性を持って成長していく流れを作ることができるのです。

成功している企業の多くが、本を活用しています。差別化戦略として本を作るなら、競合他社よりも先に出版することが重要です。差別化はスピードが命ですから、いち早く本を作ることをオススメします。

私たちは運命の出会いと可能性の拡大を考えて企業を支援させていただきますので、ぜひお気軽にお声掛けください。

【プロフィール】

中山 直基
株式会社クロスメディア・マーケティング 執行役員
2008年株式会社クロスメディア・パブリッシング入社。創業当初の営業責任者として、出版事業のマーケティング、営業、プロモーション業務に従事。『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』など20万部を超えるベストセラービジネス書を数多く生み出し、クロスメディア・パブリッシングのブランディングに貢献し、編集者としてもビジネス書出版を手掛ける。2016年クロスメディア・マーケティングに転籍し、法人向けマーケティング支援の新規事業の営業統括責任者として事業を拡大。数多くの企業の出版を起点とするマーケティングおよびブランディグを成功させる。現在も企業の本質的な強みを活かしたマーケティング・ブランディング戦略の立案からプランニング、施策の運用まで一気通貫でディレクションを行っている。