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視覚的効果とは?ビジュアルマーケティングの新しい戦略
マーケティングやブランディングにおいて、視覚から入る情報は非常に重要です。
ですが、ビジュアルやデザインの考え方を取り入れたマーケティングの手法である「視覚マーケティング」は、デザインに頼るだけの戦略ではありません。
視覚マーケティングについて詳しい記事はこちら↓
『デザインがビジネスにおいて重要な理由』
本記事では、視覚マーケティング戦略の視点からのブランディングや、売り上げ増加のための施策、顧客満足度をあげるために必要なことなどについて解説しています。
デザインマーケティング戦略
ロゴマークやキャラクターを作ってブランド力を高めようとしても、それらが企業の歴史や特徴などの関係性に乏しいとき、なかなか機能しない、思ったほど効果がでないということがしばしばあります。ブランドを立ち上げるときにはその後の展開を予測した戦略を立てる必要があります。
その際、以下でご紹介するブランディングにおける7つの基本を整理しておくと、ブランド力を高めるデザインのアウトプットができます。
- アイデンティティの再定義・・・ブランドの本質や根源を知る
- 企画・コンセプト(ビジュアルアイディアなどを含む)・・・目的を定める
- 独自性・・・強みを知る
- 表現方法の選択・・・クオリティとトレンドを最適化する
- ガイドラインの設置・・・決まりや関係性を可視化する
- 拡張性・・・事業拡大のイメージをあらかじめ持つ
- サスティナビリティ・・・続けられる仕組をつくる
この7つの基本をひっくるめて考えるのが「デザインマーケティング戦略」になります。
デザインマーケティングとは、視覚マーケティング戦略の一部であり、ブランドのポジショニングをデザインで包括しつつ、事業や市場を成長させていくことを指します。デザインの展開については無限の可能性があります。ブレークスルーやイノベーションなどが起きるように目指すことがデザインマーケティングの基本であり、良いことを最も多くもたらすデザインを採決していきます。その先にブランドの「拡張」や「成長」は必ず見えてくるのです。
ブランドの拡張
ブランドがある程度認識されると次のステージにいきます。この時、気を付けるのは自社の”らしさ”を見失わずにいることです。闇雲に施策を広げるのは得策ではありません。
グラフィックデザイン業界には「ガイドライン」という考え方があります。
ブランドの色やフォントをあらかじめマニュアル化しておいて様々なツールやメディアで印象の統一を行い、効率よく制作を行うためのツールです。ガイドラインを使用することで、”らしさ”を損なわず様々な展開が可能になります。
ブランドの成熟
ここでブランドと時間の関係を見ていきましょう。時代を超えて長期的なブランドであり続けるためには、補強、あるいは見直しをしなければいけません。しかしブランドがブランドたる根本の部分は変わりません。たとえ細部が変わっても、人の心になかに存在する価値は変わらないからです。
例えばスターバックスのロゴも変化を遂げています。ブランドを立ち上げたばかりの導入期、ブランドが認知されはじめ、成長を迎える成長期、ブランドとして認められている成熟期、それぞれに合わせてロゴを変えているのです。
時間によってブランドは育っていくのです。瞬間火力的に有名人を起用したPRイベントや広告などは一時的な盛り上がりや見込めます。時代を超えて長期的なブランドであり続けるためには、補強、あるいは見直しをしなければいけません。
売上増加のマーケティング戦略
より多くの人に購入してもらい、売上をあげる為に重要なのは見つけてもらう戦略を立てることです。
ここでは誰もが知る童話、「かぐや姫」を使用して例えていきます。
もしも、かぐや姫が偶然見つけられたのでは無く、とても見つかりやすい竹のちょうどおじいさんの視点に入るところにいたらという仮説のお話です。つまりかぐや姫のおとぎ話は偶然と不思議ではなく「戦略と成果」の物語だったとしたらどうでしょうか。
この物語を視覚マーケティングの戦略という視点で見たとき、かぐや姫(自社)はおじいさん(ターゲット・消費者)の通り道に位置取りし、おじいさんの視覚に捉えられる領域に入っている事が重要でした。さらに、きらきらと光り輝くことで(魅力的なデザインで差別化)おじいさんに確実に見つけてもらったと考えるのです。
この場合かぐや姫がおじいさんに見つけてもらいたいと思ったときに考えるべきことは
- どの竹林に入るかを選ぶ(メディア・店頭マーケティング戦略)
- 偶然視界に入る(ユーザー分析)
- 他の竹よりも視認度をあげる(構図や画像としての最適化)
- 好感を持って見てもらう戦略(テーマの独自性、ユーザーにとっての価値など)
以上の4つを基本に考えることが必要になります。
さらにこれら4つ以上に重要なのは、その竹林そのものをブランド化することです。商品を売りたい、サイトの名前を有名にしたい、ユーザーを増やしたいと思っているのなら、竹林そのものを価値のある商品やサービス、情報が見つかる竹林にしなければなりません。良いお客様に「向こうから」見つけてもらうのです。
人は誰でも無理やり買わされたもの、流行だから買ったというようなモノよりも、自分の力で手に入れたものや、自分の好みのものを大切にし、そういったモノには普段よりも大金を支払いたいと思うものなのです。
買い続けてもらう仕組やデザインを考える
偶然をデザインする。
偶然にいい情報やサービス、商品を得られると人々は買いたくなります。全てのサービスにおいて、お客さんの行動を注意深く観察し、今までの棲み分けや固定概念に縛られることなく、顧客が潜在的に望んでいる体験を戦略的にデザインすることができれば、意図した「偶然」の確率はとても高まります。
偶然に良い情報が見つかったという体験はお客様の成功体験として脳にインプットされ、その経験を求めて、再訪してくれるようになるのです。
続きが気になる仕組みをつくる
人は続きが気になるとやめられない習性があります。これを続けていると良いことがあるという未来をみせることによって、多くのユーザーを繋ぎとめることができます。例えば、ショッピングモールなどでは、広いモールの敷地をなるべくたくさんの買い物をしてもらうため、「続きを見せる」デザインが施されています。同じフロアを回遊する際に直線的な設計を避け、なだらかなカーブ状に設計することで、2軒、3軒先のお店がはっきり見えるようにするという工夫がなされています。人間は先が見えないものに対して不安を感じる性質がありますが、一度見えてしまえば「あそこまで行ってみよう」という気持ちになりやすくなります。
他にも続けさせる効果として、「カウントダウンの見える化」などがあり、スポーツトレーニングなどで数字での進行状況や終了までどれほどなのか見せることでモチベーションを保方法です。
人にできるだけ続けてもらいたいと思うのであれば、「この続きには良いことがある」という事を上手に見せる事が重要です。
顧客満足度をあげるには
最終的にロイヤルカスタマーになってもらうためには、顧客満足度をあげる必要があります。そのためには忘れられない視覚体験をデザインすることが有効な施策の一つとしてあげられます。
心に残る良い体験を繰り返し提供できるように計画を立てる事を「体験(エクスペリエンス)デザイン」や「サービスデザイン」などともいいます。
アップルストアの例をご紹介します。
アップルストアは他の家電量販店と違い、値引きを行っていません。それを可能にしているのは、アップルストアが顧客に提供しているのは単なる製品だけではなく、「アップルストアで買い物をする」という体験を提供しているからです。おしゃれかつスタイリッシュな空間で製品知識が豊富な店員に対応してもらえます。さらに「Genius Bar(ジーニアスバー)」と呼ばれる技術的な問題解決の場も提供されています。そして、購入するときにはレジに並ぶこともなく、アップルストアではアップルというブランドの全てを体験する事ができるのです。
このような体験に人々は心を動かされ、記憶として残し、ファンとなっていくのです。
忘れられない体験は視覚から入ってきています。視覚的にユーザーの視覚体験をデザインしてファンを増やしていくことで顧客満足度をあげる事が見込めるのです。
ブランド価値を高めるには
質の高いブランドはビジュアル面からブランドイメージ統一やブランドアイデンティティの確立がとても上手です。企業の多くもパーフェクトなブランディングイができているところはごく少数です。
ブランドアイデンティティを統一して可視化することでブランド価値を体感させるエンゲージツールとして利用することができます。
ブランドデザインやブランドロゴの統一をすることでブランドアイデンティティが確立され、ブランドの回復や新しい価値の創造につながることはまだあまり理解されていません。
誰かに魅力を伝えたい時は最も強みになるものを一つだけ、シンプルに打ちだし、さらにそのなかで、自社らしさを意識して形にしておくことで他社との差別化が図れるのです。
まとめ
視覚情報やデザインの考え方を取り入れた視覚マーケティング戦略は、今までのマーケティング戦略とは違う考え方を与えてくれます。あなたもデザインという新しい価値観を取り入れたマーケティング戦略を試してみてはいかがでしょうか。