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両思いの関係性を築くため書籍で繋ぐ信頼と安心
島根税理士事務所 代表税理士 島根 猛 様
24歳で税理士試験に合格。大学卒業後に専門学校での税理士講座講師、某保険会社の営業職を経験したのち、税理士法人にて税理士業務の基礎を学び、27歳で税理士登録。その後は相続税のエキスパートとして年間100件以上の相続案件に携わり、累計は約1000件を超える。
円満で豊かな相続を実現する”相続専門税理士”として活躍中。
共著に『円満相続をかなえる本』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。2023年『「もしも夫が亡くなったらどうしよう?」と思ったら読む本――夫婦で豊かな老後を送るために知っておきたい相続のこと』を出版。
大手事務所とは違う強みがある
——独立までの経緯・経歴を教えて下さい
島根:元々大学時代に税理士の試験を受けていて、就職してから税理士関係の仕事を2社くらい経験しました。しかしそこで、税理士の仕事の限界を感じ、自分の力でどうにかできないだろうかと思ったんです。やはり営業ができないと稼げないなと感じて、ご縁から生命保険の営業プランナーの仕事をすることになったんです。もちろん営業経験なんてなくて、とても厳しい経験もしました。
なんとか契約は確保していたのですが、途中で息切れして挫折してしまいました。その後たまたま知っている会計士の先生に拾ってもらい、28歳ごろからまた税理士に戻りました。そして30歳になる頃、当時から2年後の平成27年に相続税の税制改正が行われることを知りました。これまでは皆さんがイメージされるような会社の経理の方を相手にするような税理士をしていたのですが、相続税の税制改正に向けて相続税1本に絞ろうと決断しシフトチェンジしました。
そこからまた2つくらい事務所を経験し35歳で独立しました。残念ながら仲間内での意見の相違から最初の事務所は解体してしまいましたが、今の島根税理士事務所を起ち上げてからは3年になり、今も相続税1本に特化してお客様のサポートを行っています。
——島根税理士事務所の強みや事業展開などについて詳しく教えてください。
島根:まだ色々勉強させていただいている部分もあるのですが、「お客様に寄り添う」や「お客様の要望に答えオーダーメイドで対応する」というのをまさに目指していました。
しかし、最近、なんでもいうことを聞きますというのが「寄り添う」ことではないということに気づきました。本当にお互いに両思いになれるような関係性を築くことが大事だなと思っています。この人のために頑張りたい、この人に頼みたい、というような関係が理想ですね。
もし、スタンスが合わないお客様やいい関係性が築けないと感じたお客様には丁寧にご説明をしてお断りする場合もあります。
私としては相続関連のことでお客様が悩んでいることがあれば、すべて対応するというスタンスを取っています。税金以外のことでも相談があれば、その問題に詳しい方を紹介したりと、様々なことにおいて一度窓口になりたいと思っています。そのために、様々な専門家とチームとなって解決していくということが弊社の特徴になります。
また、最近の士業関連のさまざまな事務所のホームページを見ると法人税も相続税もあれもこれもできますと書いてあるところは多いのですが、それらは一人で全てできるわけではないと思っています。実際は分業になっていたり、もちろん詳しい方もいらっしゃるとは思いますが、ただ、その事務所で相続税はどれだけ力を入れているのかというのはお客様にとっては未知数になってしまっていて、それはあまり良いことではないなと思っています。
もちろん大手事務所には税理士さんが多く在籍していると思いますが、誰が担当になるかわからないですし、税理士と直接面談することも少なかったりと大事な話があまりできないという場合があると思います。そういう点で、弊社のような小規模事務所の良さが出るのかなと思います。
——相談はやはり紹介が多いのでしょうか?
島根:私の今の仕事のやり方は生命保険の営業をやっていた時代のあり方に近くて、やはりコミュニケーションで結びついていくところがあります。私は相続だけではなく、それに付随することはすべてお手伝いをさせていただいているので、まわりまわって紹介されることが多いかもしれません。また、一度お手伝いをしたお客様には年間2回ニュースレターを送っていますので、それを見た方が紹介してくださり、ご相談いただくということが増えてきています。
法人向けの業務では会社の経理の方とお話しするのでビジネスとしてしっかり対応しなければならないのですが、一般の相続相談の場合は、その人の個人的な部分に入り込んでいかなければなりません。そうすると杓子定規にはできませんし、まずはその方から信頼を得る必要があります。税理士は資格をとって資格を活かして仕事をしていくものですが、資格をとったからといって仕事があるのかというのはまた別の話です。お客様に選んでもらうためにはどうしていくのがいいのか、という部分で「信頼」を勝ち取るのが大切だと考えています。
——信頼される丁寧なお仕事が評価されているということですね。
安心と信頼につながった出版
——出版に至るまでの経緯を教えてください
島根:今回の出版は2回目になります。1回目は仲間内からお声がけいただいた縁で専門家6人の共同出版という形で参加させてもらいました。この1回目の出版でもう十分かなと思っていたのですが、やはり税理士として仕事をしていくにあたって権威性が必要だなということを感じていたことと、今回の本にした企画内容はあまり世の中で言われていないことだと思っていたこともあり、2度目の出版に踏み切りました。
同業の方からは批判的な意見が出るようなタイトルやコンセプトなので出版の際は少し覚悟が必要でしたが、読んでいただいた方には私の思いが伝わり、また、私が尊敬してる大先輩の税理士の方から感想をいただけたりと、出版したことは間違っていなかったなと思いました。
本を読んでいただくと、一人ひとりに話したり、ホームページに記載する必要がなく、伝えたいことをしっかりと伝わるツールとして有効だと改めて思いました。
——出版してから何か反響はありましたか?
島根:本を読んで相談に来てくれた方はまだいませんが、お客様の中にも読んだよという方は何人かいらっしゃいました。気になってはいたけどまだ読んでないんだよねという方にはプレゼントとしてお渡ししたりしています。読んだ方からは「読みやすかったです」「安心しました」という良い反応をいただきました。
また、相談は紹介が多いとお話ししましたが、私のことを紹介する際に、検索してもらった結果、私の顔が出てきて、そして「本」もその検索結果に一緒に出てきたら、「この人は本を出しているんだ、じゃあ一度相談してみようかな」という安心や信頼につながると考えています。今も紹介の流れに少しずつ本の効果がでているような気がしています。
——出版以外に何かPR施策を行っていますか?
島根:出版後、お客様を増やす活動として東京 FM の夕方のラジオ番組で毎週月曜日の夕方 6 時 35 分の交通情報の提供を 4 月から9月までやっていました。
他にも地下鉄の鏡広告を3ヶ月ほど行ったりして、この広告には本も記載して、出版したことを活用させていただいています。このような取り組みは「私たちの事務所に安心してお任せください」ということをお伝えするために行っています。
また、最近ではインスタグラムを初めました。今後は動画での情報発信も積極的に取り組んでいきます。
——メディアからの取材があるとお聞きしましたが、どのくらい取材のお申し込みがあるんですか?
島根:そうですね、出版後には、3ヶ月に1回くらい取材の依頼がきています。本がきっかけになって取材依頼が増えているという実感があります。
調査をしていないので、メディアを見てからの問い合わせなのかは分からないのですが、ホームページの検索数は増加しているので、効果はあったのかなと思っています。
相続のことをこの本をきっかけに考えてほしい
——どのような想いを本で伝えたかったのでしょうか
島根:生前の相続対策というのは、本人が意識しないとなかなか自ら動こうとするものではありません。今回書かせていただいた本は『「もしも夫が亡くなったらどうしよう?」と思ったら読む本――夫婦で豊かな老後を送るために知っておきたい相続のこと』という書籍ですが、これまで多くの相談を受ける中で、特に女性の方が相続について考えたり、事前に準備したほうがいいという実感がありましたので、このようなタイトルで出版しました。実際に私のところへ相談に来る方は女性が多く、男性の比率が低かったということも関係しています。
もちろん男性の方にも手に取ってもらいたいと思っています。実は、この本は旦那さんに向けてのメッセージもあって、本の中には「先に奥さんが亡くなって旦那さんが残されてしまった」というケースの事例をあげていますので、この本をきっかけに夫婦で少し相続のことを生前のうちから考えてほしいなという思いがあります。
あとは、やはりこういうことを考えている税理士がいるんだなということを本を通して知っていただけたら嬉しいですね。
——本を作るのは大変でしたか?
島根:日頃仕事をしながら本を作るのは難しいなと思ったのですが、ライターの方に入っていただいたおかげで、スムーズに出版できたのかなと思います。しかし、最後は何度も読み返し、とても想いを込めて仕上げたので、やはり大変だったのというのはあります。
——弊社クロスメディア・マーケティングでの出版についてお話をお聞かせください
島根:やはり、ライターの方がとてもよかったなと感じています。あまり表舞台に出てこない方々かもしれないですが、相続の詳細について、わからなくても自分で勉強して私に取材にきてくれて、その上で私の話を噛み砕いて本にしてくれたのは、非常にありがたかったです。あと編集担当が女性の方だったのですが、女性目線で文章を作ってくれたおかげで、書籍の雰囲気にとてもマッチしたなと感じています。
——本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。
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