ーストーリーブランディング

企業ブランディングに最適な売れる仕組み作りのためのストーリーブランディング~売れ続けるために必要なストーリーの黄金律~

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ストーリーブランディング事例

新しく起業した会社やオープンしたお店は10年後にはどのくらいの確率で生き残っているかご存じですか?

中小企業白書(2006)によると、個人事業主を含む新規企業の生存率は設立して1年以内に3割、そして3~5年後には約4~6割が廃業し、10年後に生き残っているのは全体の約26%という数字が出ています。

業種が限定されているデータであるため、一概にこの数字が正しいとは言い切れませんが、企業が存続する難しさは十分把握できるでしょう。また、リーマンショックや東日本大震災、昨今のコロナ禍以前のデータになるため、現在ではさらに低下してる可能性は十分に考えられます。

しかし、このような現在の不景気においてもしっかりと成長し続けている企業は沢山あります。そのような企業は何が違うのかというと、「ストーリー」があることなのです。

本記事では、企業ブランディングにおいて重要な「ストーリー」を用いたストーリーブランディングについて詳しくお伝えいたします。

「売れる」より「売れ続ける」を目指す

商品やサービスが大ヒットしブームが起きることがありますが、それは全て一過性のものと言えます。企業が目指すべきなのは「偶然売れてしまう」のではなく「戦略をもって売れ続ける事」です。

しかし、現代において売れ続けるためには価格や品質、広告での勝負は歯が立たなくなってきました。

売れ続けるためには顧客にリピーターになってもらう必要があります。そして、そのためには満足のさらに上を行く、心に響く”何か”を提供し続ける必要があるのです。

ここで注目されるのは『ストーリー』です。

物が飽和している現代において、欲しいものが分からないという人は多く、本当のニーズが見えなくなってきています。

そのため今はニーズを創り出すために、ニーズがない生活者には「こういうものが欲しかった」と気付いてもらうストーリーが必要なのです。

心を動かされるストーリーがあり、初めて自身が欲しかったものに気付くことは多いのです。

これからの企業のブランディングにおいて、ますます必要になってくるのは顧客の心を動かす「ストーリー」を持つことなのです。

ストーリーの定義とメリットとは?

ストーリーブランディングの定義

ここでまずビジネスにおけるストーリーの定義をご紹介します。

ストーリーとは、生活者、取引先、社員などに対して語ることで、聞き手の想像力を刺激し共感を呼ぶ、フィクションではない、個人・商品・お店・企業にまつわるエピソードやビジョンのことを指します。

引用:川上徹也 著『仕事はストーリーで動かそう』

これではイメージしにくいかと思いますので、あるリンゴの例を用いてお話します。

あるリンゴ2つが紹介文と共に隣に並べられています。

A:一般的な農法で育てたリンゴです。
B:「奇跡のリンゴ」でおなじみの木村秋則さんがつくったリンゴです。木村さんは絶対に不可能と言われたリンゴの無農薬無肥料栽培を、8年の歳月をかけて、長年の極貧生活と周囲からの孤独を乗り越えて試行錯誤の末にようやく実現しました。

あなたはAとBどちらのりんごを食べてみたいと思いますか?

Bのリンゴは品質や価格、味についてなにも詳しい事は書いていません。しかし、多くの人はBのリンゴを食べたいと感じたと思います。なぜなら、Bには心を動かされるストーリーがあるからです。ストーリーを読んでいるうちに想像力が刺激され、どんな味なのか、是非食べてみたいという気持ちが掻き立てられます。Aのリンゴと比べて多少高い値段設定でもBを食べてみたいと思う人は多いでしょう。

このようにストーリーは同じ市場のなかでも差別化になり、さらに顧客に選ばれやすくなります。ストーリーを用いて企業や商品、サービスのブランディングを行う事をストーリーブランディングと言います

ストーリーブランディングのメリット

企業がストーリーブランディングを行うメリットをご紹介します。

  • 人の感情を動かすことができる
  • 興味を持ってもらえる
  • 記憶に残る
  • 企業や商品、サービスの価値を高めてくれる
  • オンリーワンになれる
  • より深い共感を得られる
  • ファンになってもらえる
  • 人に伝えたくなる

など企業や商品、サービスにストーリーがあることで得られるメリットは多くあります。

なぜ今ストーリーブランディングが注目されているのか

ストーリーブランディングは近年注目されつつあります。

なぜ価格や品質ではなく、ストーリーなのでしょうか。

例えば、「価格」という土俵で戦ってしまうと、自社の商品、サービスの価値自体も下げてしまう上に、価格競争に巻き込まれてしまい自分の首を占めてしまう結果になりかねません。

戦うべき土俵は「価格」ではなく「価値」の土俵です。他でやっていないことを行う事で自社ならではの「価値」を生み出す事ができます。そして、その「価値」を生み出すためにはそれに合ったストーリーが必要不可欠と言えます。

また、「品質」においても、現在の日本は商品やサービスのクオリティにおいて大きな差はなく、品質が高いことが当たり前であり、最低条件と言えます。もちろん、品質をおろそかにしていいわけではありませんが、他企業を圧倒するほどのクオリティを開発する事はなかなか難しく、そこでの差別化は厳しいのが現実です。

発信する側にとっては十分な差別化ポイントのつもりの「厳選された素材」や「こだわりの製法」なども、このような抽象的な表現や売り文句では消費者や顧客にとってはほとんど印象に残らないことがあります。より具体的に頭に浮かぶような物語性がなければ顧客や消費者の心を動かすことはできないのです。

こだわりを見せるのであれば見せ方の切り口を変えるなどの工夫が必要になります。そしてその工夫やそれに至るまでの困難などから一つのストーリーが生まれる事もあります。

他にもストーリーブランディングが注目されている要因はいくつか考えられます。

その一つとして、インターネットの普及に伴ってテレビや広告以外でも情報発信が容易になったことが考えられます。今までCMなどは膨大な予算をかけて行うため、発信においては大企業が有利でした。しかし、現在は発信力さえあればSNSなどによって、中小企業や個人事業主も自らのストーリーを発信することができるようになったのです。人の心を動かすストーリーは他社に話したくなるものであり、非常に強い拡散力を持っています。発信が上手くいけば、大企業以上の影響力を持つことも可能になったのです。

また、企業規模や立地、株式の時価総額などで優劣を測っていた時代から大きく変わり、大企業でなくとも、何か光る物がある企業がリスペクトされ、憧れられる時代になりました。人材においてもこのような価値観を共有できる経営者の元で働きたいという志向が強くなっており、多くの人の心を動かすストーリーは企業へのリスペクトの一助になり、ブランディングや採用などに有効に働きます。
このように、「ストーリー」というのは多様な面で重要な役割を果たすのです。

ストーリーブランディングを成功させるにはストーリーの黄金律を取り入れる

ストーリーの黄金律をご存じですか?先ほど紹介した「奇跡のリンゴ」の話はなぜ人々の心に深い印象を残すのか、それには、ストーリーを描く際の黄金律が隠されていたのです。

ハリウッドの映画をはじめとするエンターテイメントの世界で使われる、感動を呼ぶのに必要な3つの要素をストーリーの黄金律と呼びます。

①何かが欠落している、または欠落させられた主人公が

②何としてもやり続けようとする遠く険しい目標やゴールに向かって

③数多くの葛藤、障害、敵対するものを乗り越えていく

引用:川上徹也 著『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』

この3つの要素が含まれていると、人はそのストーリーに心を動かされるとされています。

ただ一つ、注意点があります。

それは、ビジネスに置けるストーリーはフィクションであってはならないということです。とってつけたようなフィクションは事実とストーリーの間に矛盾が生まれてしまうため顧客からの信頼を失い、いくら黄金律に沿っていても逆効果になってしまいます。

3つのレベルで分けるストーリー

一言でストーリーといっても色々なレベルのストーリーがあります。
以下では企業や商品、サービスの価値を高めるストーリーを3つのレベルに分けてご紹介します。

①志のストーリー

これは「心に決めた信念」であり、究極の目標、理念、ミッションといえる部分です。明確な「志」は、自身や社員のモチベーションアップに繋がります。また、目指すべき場所がはっきりしていると、新しい事業などを始める時のブレが少なくなります。
さらに、多くの人に共感してもらえる「志」は、多くの人からの支援も見込めるでしょう。

②ブランド化のストーリー

このストーリーがあることで他との差別化がしやすくなります。一言で伝えられる特徴であれば、そのキーワードがタグとなりラベルとなり、人へと勧めやすくなるため、口コミが期待できます。

③エピソードのストーリー

これは、1つ1つの取り組みやアイディアのエピソードのストーリーを指します。1つのエピソードでは「志」や「ブランド化」にはならないけれど、「エピソードのストーリー」が「志」や「ブランド化」のストーリーにリンクし、目標を実現するためのワンステップとなっていると、徐々に効果を発揮していくのです。

「志」に向かって進むなかで、優れた「ブランド化」のストーリーを発見し、日々の「エピソード」ストーリーを積み重ねていくと、多くの人の心を動かすストーリーができます。

この3つのレベルのストーリーがしっかりリンクしあって消費者や顧客から見ても納得のできる物になっていれば、3本の矢のような最強のストーリーが出来上がります。

また、この3つのストーリーそれぞれに矛盾がない事が重要です。そして、相乗効果を挙げるようにそれぞれが補完しあっていればなお良いストーリーと言えます。

以下では事例を紹介いたします。

年間最高300万人の来場者に至るまでの旭山動物園の苦悩

北海道の旭川市のはずれに位置する「旭山動物園」は、空を泳ぐペンギン、観客めがけて飛んでくるホッキョクグマ、空中散歩するオラウータンなど、動物本来のいきいきとした動きを見せる「行動展示」で有名になりました。

しかし、90年代前半は予算もなく、経営難で潰れてしまうかもしれないというところまで差しかかっていたのです。

その際、危機感を抱いたスタッフは「動物が本来もっている生き生きとした魅力のある姿をもっとお客さんに見てもらおう」という結論に達し、予算がない中、様々な取り組みを行いました。

飼育員が迫力や魅力を伝える「ワンポイントガイド」や餌やりの光景をみせる「モグモグタイム」、動物の説明を手書きで書いた「手書きPOP」などこのような試みによって徐々に評判が広まっていきました。さらに「夜の動物園」や「バックステージツアー」「サマースクール」など、今までの動物の見方を切り口をかえてお客様に見せる工夫を行いました。さらに飼育員一丸となって「理想の動物園」についてのアイディアの話し合いを夜な夜な行っていたといいます。

数年後、旭川市の市長が代わり、動物園の改修費についての検討が行われました。市長に呼ばれた園長はみんなで話し合った「理想の動物園」の構想を2時間喋り続けました。心を動かされた市長は予算をつけることを約束し、そこからスタッフたちが思い描いた理想の動物園が一つ一つ実現していき、日本一の動物園へと歩んできたのです。

旭山動物園のストーリー分析

黄金律:どん底から日本一の動物園という目標に向かって色々な障害を乗り越え進んでいく。
志のストーリー:動物の生き生きした姿を見せることで日本一の動物園になる
ブランド化のストーリー:動物の生き生きした姿を見せる「行動展示」
エピソードのストーリー:「ワンポイントガイド」や「モグモグタイム」「夜の動物園」などの取り組み

まとめ

お伝えしてきたように、現代のビジネスにおいてストーリーが必要であり、メリットが多くあることはお判りいただけましたでしょうか。

私の会社にはストーリーをもつような特別な商品はないという声もあるかと思います。しかし、実は特別な商品がないからこそストーリーが必要なのです。ご紹介した旭山動物園も元は目玉の動物がいない一般的な動物園でした。しかし、今では知らない人はいないほどの有名な動物園になりました。それも旭山動物園のストーリーがこの3つのレベルでしっかりと補完しあい、さらに黄金律にかなっていたからといえます。

あなたの企業もストーリーを用いて新たな価値を創出してみてはいかがでしょう。

ストーリーブランディングの構築方法について詳しい記事はこちら↓
心動かす最強のストーリーブランディングを構築するのは3つのレベルのストーリー!

物語を使った新しいマーケティング方法についての記事はこちら↓
『ナラティブとは?意味やビジネスにおけるストーリーとの違いを解説!』

 

参考:『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』(川上徹也/クロスメディア・パブリッシング)

   

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