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リスティング広告さえ回していればリードナーチャリングはいらないのか?

# リードナーチャリング

営業現場や販売代理店からは「今すぐ買ってくれそうな客だけどんどん送ってくれ」

という矢のような催促。「じっくり育成するから時間をくれ」と言ってもなかなか営業の方は納得してくれませんよね。

そうなってくるとやはり、すぐにでも買ってくれそうな顧客を獲得できるリスティング広告に多くの人が流れていくのです。

リスティング広告さえやっていれば、リードナーチャリングは不要なのでしょうか。

今回はリスティング広告とリードナーチャリングを比較しながら見て行きたいと思います。

【監修プロフィール】

 小川事務所代表
  小川 共和

東京大学文学部仏文科卒業後、電通に入社。
本社マーケティング・ソリューション局次長、電通イーマーケティングワン(現電通デジタル)専務取締役経て小川事務所を設立。

著書に『マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方』 『マーケティングオートメーションでおもてなし~ITがマーケティングにしてくれること』 『戦略から始めるエンゲージメントマーケティング』(クロスメディア・マーケティング)

リードナーチャリングとリスティング広告の比較

「リスティング広告なら簡単にホットリードを集客できるよ」

経営やマーケティングに関わる業務をしていると、このような話を耳にすることが多いのではないでしょうか。

リスティング広告とは「お金を払って検索結果内に広告を表示する集客施策」です。キーワードに対してお金を払ってオークション形式で広告を表示してもらうため、ホットリードに絞って広告を打つことができます。費用と知識が少しあれば、すぐにはじめられるため、現在多くの企業が取り組んでいるのです。

一方、リードナーチャリングは文字通りリードの育成なので、メール等のコミュニケーションを継続して行い、コールドリードをホットリードに育成するという施策なためどうしても時間と手間が掛かってしまいます。

実際に営業現場や販売代理店から

「今すぐ商品を買ってくれそうな客を送ってくれ」

との催促が多くあるため、リードナーチャリングでゆっくり顧客を獲得している暇がなくリスティング広告で手っ取り早くホットリードを集客しているという企業も多く見られます。

リードナーチャリングとリスティング広告で獲得できるリードはほんとに同じなのでしょうか?

リードナーチャリングとリスティング広告の違い

リスティング広告とリードナーチャリングの違いを掛かる手間・費用とそれによる効果の面で見ていきましょう。

リードナーチャリングは大変?

リスティング広告はなんといっても手間が掛かりません。Google広告などですと、検索ワードを買い(Googleが推奨してくれます)広告文と説明文さえ作るだけであとは自動で運用をしてくれます。費用も月単位で設定できるため、費用対効果の見込みを立てやすいのも特徴です。

それに比べリードナーチャリングは、まず個人情報を獲得して、しかる後にエンゲージメントプログラムにのっとって気の遠くなるほどのメールやクリック先ブログ、セミナーやダウンロード資料もふんだんに準備したりと長く手間暇のかかる道のりです。

マーケティングオートメーションのようなツールも必要になり、何よりも作成しなければならないコンテンツが途方もない分量になります。ネタ切れに怯えながら終わりのない作業を強いられることになるのです。

だからといって他の会社がやっているようなウェブサイトやブログと同じようなコンテンツを量産しても、客は「どこでも言っている内容が同じでつまらない」となってしまいます。コンテンツの質の担保は難しいのです。

リードナーチャリング経由の獲得リードは質が高い

手間や時間が掛からず、お金さえかければ成果も出せるし、結果も予測しやすいリスティング広告。それに比べ、手間も時間も人手を必要とし、成果もやってみるまで分からないリードナーチャリング。同じ「ホットリード」獲得ならリスティング広告の方が圧倒的にいいと感じますよね。

しかし、リスティング広告で獲得できるホットリードと、リードナーチャリングが獲得できるホットリードは実は同じではないのです。

リードナーチャリングで育成した「ホットリード」は単に「今すぐ買いたい」と思っているだけではなく、ナーチャリングしてくれた企業に信頼・好感を抱いているのです。

長い期間のコミュニケーションの結果、ナーチャリングをしてくれている企業に

  • 役に立つ情報をくれてありがとう
  • いつも楽しませてもらっています
  • 本当に深い知見やスキルを持っている企業だ

といった感謝・敬意・好感が生まれるのです。

その結果、ホットリードとなって営業送客される時点では、

「今までお世話になったからまずは御社に相談しよう!」「御社が納得のいく提案をしてくれるなら他社には声を掛けないでおこう」

となっている可能性が高いのです。

営業現場はライバルとの熾烈な競争下にあっても、相当大きなアドバンテージを持って戦いに臨めます。受注確度(受注数/送客数)もかなり高まるはずです。

リスティング広告の今後

多くの企業がリスティング広告を活用している現在、リスティングでのホットリード獲得がどんどん辛くなっているという現状があります。

例えば、小田急線沿沿線で5,000万円台の中古マンションを探している人をホットリードとして獲得したいと考えている不動産会社を考えてみましょう。リスティング広告で「中古マンション購入 都内小田急線沿線 5000万円台」というワードを購入してリスティングをすれば、ホットリードを獲得することができるでしょう。

しかし、こういった検索をする人は1つの企業に絞って声を掛けるのではなく、同時にリスティング広告を打っている何社にも声を掛けているのです。いきなり熾烈な競争がスタートするので、厳しい争奪戦の中で契約を獲得しなければならないのです。当然負けて他社契約となる可能性も高くなるのです。

また、同じ検索キーワードを競合他社も皆購入することになるため、クリック単価も高騰します。高いお金を払って、ホットリードを獲得しても結局他の企業に取られてしまうという悪循環に陥る企業が年々増えています。

まさにレッドオーシャンでの戦い。もはやお金を払うだけで受注につながるリードを簡単に獲得出来る施策ではないのです。

リードナーチャリングをはじめよう

楽して簡単に成果を稼げる方法はありません。

「今すぐ買ってくれそうである」のと同時に「他社ではなく自社を選んでくれそうなホットリード」を獲得することは容易ではありません。

自社を選んでくれるホットリードを獲得するためには、時間と手間が掛かってでもリードナーチャリングをしていくしかないのです。

いきなり何のアドバンテージもない熾烈なレッドオーシャンでの競争に突入するのではなく、ニーズがまだ顕在化していない段階の漠然とした夢や悩みを抱いている人と出会うようにしましょう。ブルーオーシャンの中で獲得したリードを丁寧にコミュニケーションし続けることにより『コールドリード→ウォームリード→ホットリード』と育成して行くことが大切なのです。

採用の世界でも、まだ競争が激しくない時から優秀な学生を青田買いして、しっかりつなぎ留めておくのが手間暇かかるけど良い人材を確実に獲得する方法だと言うではないですか。

青田買いが問題になるのは、それが効果的な方法だからです。