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客離れを引き起こさない値上げの方法とは?

#マーケティング用語
#マーケティング基礎知識

昨今話題になるのは、原材料価格の上昇や急激な円安などさまざまな要因が重なったことにより起きている「値上げラッシュ」です。

しかし、値上げはせっかく今までついてきてくれたお客様が離れてしまう要因にも成り得ます。

「値上げ=客離れ」にならないためにはどうすればいいのでしょうか?
本記事ではブランド連想に基づいて、客離れを最小化するブランディング方法についてお伝えします。

値上げラッシュで心配なのは「客離れ」

導入でもお伝えした通り、今日の世の中では「値上げラッシュ」がとまりませんよね。そんな中でも頑張って価格を据え置いてきたけど、もう限界、という企業も多いのではないでしょうか。世の中の皆が値上げしてるし、皆で値上げすれば怖くない!などというものではありません。支払いの選択の余地がない電気やガスなどの公共サービスの話ではなく、普通の商品において、値上げするとお客様が買わなくなってしまうリスクからは免れられません。

しかし、「値上げ=客離れ」とは限らないのです。

ー「確かに高くはなったけど、この商品気に入ってるからやっぱり買い続けよう」
「高くはなったけど、それでもこの商品にはそれだけの価値があるから買おう」

といった経験は誰しもがあるかと思います。

客離れを引き起こす値上げ VS 客離れを引き起こさない値上げ

「客離れを引き起こす値上げ」と「客離れを引き起こさない値上げ」は何か違いがあるのでしょうか?

「客離れを引き起こす値上げ」とは、値上がりした結果の価格分の価値をお客が認めてないことの表れです。

一方で、「客離れを引き起こさない値上げ」とは、値上がりした結果の価格以上の価値を客が認めているということです。

値上がりした価格>お客が感じている価値→お客は買わない
値上がりした価≦お客が感じている価値→お客は買う

要するに価格に相応しい価値をお客が感じるか否かが重要です。

「安い!」「得だよ!」と売ってきた商品は、「安さ」と「お得さ」が損なわれた瞬間にお客様を失ってしまいます。

しかし、「安さ」と「お得さ」に頼らないで売ってこれた商品は、価格が多少上がってもお客様を失うことはありません。

要は、どれだけ商品の価値をちゃんとお客様に対して伝え切れていたか否かなのです。

価格プレミアムという概念

①「価格が高くても買う」
②「価格が同じなら買う」
③「価格が安ければ買う」
④「価格が安くても買わない」

という指標があります。

これは、価格プレミアムというブランドの持つ力を表す指標のひとつです。

当然①「価格が高くても買う」というお客様が多ければ、値上げしても人はあまり離れません。

ですので、企業は自社商品について①「価格が高くても買う」というお客様を増やす努力をし続けなければ、今日のような値上げラッシュという逆風が吹くと、たちまち存亡の危機に陥ってしまうのです。

「そんなことは言われなくてもわかってる。だからといって何をすれば良いのかわからない」
「商品に新たに付加価値を加える?そんな開発力があれば最初から苦労しない」

と思われる方もいるでしょう。確かにそうかもしれません。「客が感じる商品の価値を上げる」のです。

価格プレミアムとブランド連想の関係

①「価格が高くても買う」
②「価格が同じなら買う」
③「価格が安ければ買う」
④「価格が安くても買わない」

という指標である価格プレミアムは、あるものと強い相関関係があると言われています。

それは「ブランド連想」と呼ばれるものです。

「あなたはブランド名〇〇と聞いた時、何を思い浮かべますか?何でも良いので出来るだけ沢山答えて下さい」

という質問に対する答えがブランド連想です。

どれだけ沢山思い浮かぶものを答えられたかというブランドの連想数と上記の価格プレミアムは強い関係があるのです。

かつてこの連想数と価格プレミアムの関係を幾つかの商品カテゴリーで調査したことがありますが、結果はほぼ同じで以下のようなものになります。

平均連想数が多い企業は「他の商品より価格が高くても買う」と答える人が多いことがみてとれるでしょう。

ブランド連想の数と価格プレミアムの指標は関係性についてさらに詳しい記事はこちら↓
ブランド連想とは?企業ブランディングの最重要テーマ

ブランド連想が多ければ値上げに強くなれる

自身が担当している商品について、どれだけ多くの連想をお客様に想起してもらえるかが「価格が高くても買う」お客を増やすことにつながります。

お客様の連想数を増やすために今までどのような取り組みをしていたでしょうか?

「強みとなっている機能や性能を広告でアピールする」
「客にとってのわかりやすいベネフィット(効用)をウェブサイトやカタログで語る」

これらも確かに間違った施策ではありませんが、これだけでは連想数は限られます。

商品誕生の物語や逸話、商品の開発者の熱い思いや開発思想、工場で商品を作る社員たちの情熱や真摯さ、売れるようになるまでの事業部担当者の苦労話、お客様に喜ばれたり怒られたりする営業マンの喜怒哀楽、そして実際に自社商品を使い続けてくれているお客様の喜びや満足の言葉や、自社商品と共にあるお客様の幸せな生活・充実した人生など、その商品について連想の元となるネタは沢山あるはずです。

このようなストーリーもしっかりと伝えていくことが連想数を増やすにあたって重要なのです。

やみくもに伝えるのに不安を感じるなら

前述のように語れるネタは沢山あるはず、と言われても、さすがに何でもかんでもやみくもに伝えるのは躊躇われる企業も多いかと思います。

やはり何かに焦点を当てたストーリーの方がより戦略的に思いを伝えることが出来るはずです。

ではどうやって伝える内容を選ぶのでしょうか?
また、プライオリティーをつけるには一体どうしたら良いのでしょうか?

そこでおすすめするのが「ブランド連想調査」です。

ブランド連想調査では、お客様に対して、自社商品について思い浮かぶことを何でも答えてもらうアンケート調査を行います。

そして、同時に自社商品について①「価格が高くても買う」②「価格が同じなら買う」③「価格が安ければ買う」④「価格が安くても買わない」も答えてもらい、両者の関係を見るのです。

そして、①「価格が高くても買う」と答えた人の連想内容と、そうでない人の連想内容を比較し、前者の特徴的な連想内容に焦点を当てて伝えていきます。

訴求方法は?

ストーリーを伝える場合、15秒が主体のテレビ広告などは不向きです。どうしても一番伝えたいことのみのワンメッセージになってしまい、深さや広がりのある内容は伝え切れません。長尺のインフォマーシャルも高齢者には良いかもしれませんが、若い人はそもそも見ないでしょう。

昨今ではやはり、1分程度の動画を作成し、YouTube、TikTokなど動画配信媒体での配信するのは効果的でしょう。SNS動画広告として配信するのもひとつの手です。

また、Webサイトなどでブランディングコンテンツとしてじっくり語るのは必須といえます。

さらには、リードナーチャリングやCRMのコンテンツとしてメール&クリック先コンテンツとしてさまざまな方法で飽きられないように伝え続けるのも良いでしょう。

BtoC商材の場合、初回購入直後が商品の深い理解へのモチベーションが高くなるので、安定したリピーターになるまで繰り返し訴求することが大事です。
もちろん、自社コミュニティーでファン自身の言葉で投稿してもらったり、SNSで拡散してもらえることも理想的といえます。

まとめ:もう一度自社商品の価値を伝えきる努力をする

「今だけこんなに安く!」「あなたにだけ素敵なプレゼント付き!」という値段や特典のアピールではなく、商品の話をとことんしましょう。

この商品にどれだけ自社社員の思いが詰まっているのか、この商品が生み出した社員、関係者、そして顧客の喜怒哀楽の物語を十分に伝えましょう。

ストーリーを伝え続けた結果、お客様の商品についてのブランド連想が膨らめば「価格が高くても買う」という人は必ず増えます。

また、自社社員の思いや商品が生み出したさまざまな物語をまとめ、ひとつのストーリーにして形にするのもひとつの手段です。

深く印象に残り、またいつまでも形に残る「書籍」という形にしてみてはどうでしょうか?

沢山の思いや物語がただ散在しているだけではお客様にストーリーを十分に伝えきることは難しいでしょう。だからといって沢山の物語をひとつのわかりやすいストーリーに仕立てるのは簡単ではありません。

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