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ミッションステートメントとは?その役割とメリットを解説

# マーケティング基礎知識
# マーケティング用語

「ミッションステートメント」という言葉をご存じでしょうか?

この言葉を有名にしたもので、『7つの習慣』(フランクリン・コヴィー著)のベストセラーを連想する人も多いかもしれません。

こちらの書籍では「個人の信条」という使われ方をしていましたが、ビジネスの場面での「ミッションステートメント」はどのように使用されるのでしょうか。

本記事ではビジネスにおけるミッションステートメントについて詳しく解説していきます。

ミッションステートメントとは?

ミッションステートメントは、企業のミッションを具体化し社内外に発信するものといえます。

さらにわかりやすく説明すると、ミッションを時間軸やプロセスで捕捉し、なぜそのミッションを掲げるに至ったのか、過去から現在までにその価値観はどのように築かれてきたのかなど、ミッションに関するストーリーや想いを文章化したものを指します。

「ミッションステートメント」というワードを分解すると、「ミッション」は使命、重要な任務という意味をもつ英単語であり、ビジネスにおいては「企業が果たすべき社会的使命であり、存在意義」とされています。

そして「ステートメント」は声明、宣言、発言、提示などの意味を持つ英単語となります。

多くの企業でミッション(使命)は定められていますが、それは抽象的であったり短文であったりと、見る人によっては解釈が異なってしまう可能性があります。そのような曖昧なミッションを、誰が見ても同じ方向をむけるようにさらに具体的な文章にし、社内外に対して声明として共有するためのものが「ミッションステートメント」なのです。

ミッションステートメントは、企業のミッションを実現するために「何を基準に意思決定するか」を明確にする役割があるため、ミッションステートメントを定めることで、企業とその企業に所属する全社員が共有するべき価値観や行動指針を明らかにすることができます。

ミッションステートメントの役割と必要性

上記でお伝えしましたが、ミッションステートメントとはミッションをわかりやすくするために、具体的に説明する役割を持っています。

それは企業の行動指針になり、企業活動を行っていくうえでの判断基準になります。

ビジネスシーンは常に変動し、時代や流行、顧客のニーズの流れを掴み経営に取り組む必要があります。不確定要素ばかりでも企業活動を行っていくうえで意思決定をする場面は多々あります。そこで必要になる指標が「ミッションステートメント」です。

どのような場面でも、ミッションステートメントという企業の軸があれば方向を見失う事はなく、意思決定を行う事ができるでしょう。

ビジョンステートメントの違い

ミッションステートメントと似た言葉として「ビジョンステートメント」があります。

まず「ビジョン」とはビジネスにおいて、その企業が目指す未来像や目標、今後どう在りたいのかという意味を持っており、「ビジョンステートメント」は今後どのような企業を目指したいか、そして社会にどのように貢献していきたいかを社内外に対して具体的に提示するものです。

要するに、ビジョンステートメントは企業が目指す「未来」を表す声明です。

一方、ミッションステートメントは「現在」企業が指針とする価値観や判断基準を示します。

つまりミッションステートメントとビジョンステートメントは、それぞれの目的や内容、要素そして時間軸が違うため、このふたつは混同しないよう気を付ける必要があります。

ビジョンとミッションの違いとは?詳しい記事はこちら↓
ビジョン(vision)とは?ミッションとバリューの関係性を解説

ミッションステートメントのメリット

意思決定の判断基準となる

自身で判断を下さなければならない場面において、従業員それぞれの価値観で意思決定を行うのではなく、ミッションステートメントとして企業の軸があれば、方向性を見誤ることなく的確な判断を行うことができます。

さらに、ステークホルダーから意思決定のプロセスについて説明を求められた場合も、ミッションステートメントを根拠として説明責任を果たせます。

反対に社内の行動ベクトルが定まっていなければ、あらゆる意思決定の際に意見が上手くまとまらなくなってしまいます。従業員個人の価値観ではなく企業としての価値観で考えることを定着させることが必要なのです。

企業の価値観を外部へアピールできる

ミッションステートメントは、社内だけでなく社外に向けての企業の姿勢、価値観を示すことができます。

そのため、ミッションステートメントは顧客やステークホルダー、求職者へのアピールポイントとして自社に興味を持ってもらうきっかけになります。

特に株式会社の場合は、株主にいかに利益を還元できるかは重要なテーマです。

株主に今後どのようなスタンスで事業展開していくかをアピールするために、ミッションステートメントを活用することができます。

ミッションステートメントは、自社らしさを伝えるための社会的なイメージ作りとしても活用できるため企業ブランディングにもなるのです。

企業ブランディングとは?詳しい記事はこちら↓
今すぐはじめられる企業ブランディング。これを読んで早速やってみよう。

目的・ゴールを共有できる

ミッションステートメントは企業活動の軸であり、企業に属する全ての社員と共有するコミュニケーションツールとして機能します。

企業の規模に関わらず企業の方針を全社員に正確に伝えることは、長年の課題のひとつです。

ミッションステートメントを掲げることで、企業が目指す方向性を正確に伝えることができます。

ミッションステートメントにより、目指す姿を提示することで、従業員のモチベーション向上や社員の結束力を高めるためにも効果的です。結果として従業員の帰属意識も高まり、一人ひとりのエンゲージメントの向上に繋がるでしょう。

ミッションステートメントに欠かせない要素

ミッションステートメントの作成には欠かせない要素があります。

優れたミッションステートメントには以下の9つの要素が含まれているとされています。

①顧客
自社の商品やサービスは誰に提供しているのか、そしてどのような価値をもたらしているのでしょうか。
②市場(マーケット)
自社はどのような市場・地理で事業を展開し、勝負していくのかを明らかにします。時代の流れや情勢の変化なども加味する必要があります。
③技術(テクノロジー)
事業に必要な技術や自社が持つテクノロジーの可能性について検討します。       ④企業理念
自社の企業理念をしっかりと把握し、理念を踏まえてミッションステートメントを考えなければなりません。
⑤製品、サービス
自社が提供する商品、サービスなどの特徴や有用性、社会的価値や使命について明文化しましょう。
⑥企業の強み
事業の成長の為にも、自社の強みについて整理します。競合他社と比較し自社はどのような点で差別化できるのかを明確にしましょう。
⑦企業の成長性や財務の健全性
成長や財政面での健全性、将来の見込みがあるのか確認します
⑧パブリックイメージ
社会的責任や自然環境など、近年では企業のSDGsへの配慮は必須ともいえます。
⑨社員に対する姿勢
社員をどう扱っていますか。近年は働き方改革も進んでおり、時代に合った従業員への対応が求められます。

以上のうち、特にどの要素に重点をおき、ミッションステートメントを作るべきか、従業員の意見を取り入れつつ考える必要があります。

ミッションステートメントの事例

トヨタ自動車

「わたしたちは、幸せを量産する。」

だから、ひとの幸せについて深く考える。

だから、より良いものをより安くつくる。

だから、1秒1円にこだわる。

だから、くふうと努力を惜しまない。

だから、常識と過去にとらわれない。

だから、この仕事はかぎりなくひろがっていく。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は創業以来受け継がれてきた「豊田綱領」の精神が核となりミッションやビジョン、バリューが形成されています。

「わたしたちは、幸せを量産する。」というミッションを、下に続く「だから、○○」という文章でよりわかりやすく補足されています。

タイガー魔法瓶

「温もりあるアイデアで、食卓に新たな常識をつくり続ける」

魔法瓶は、やがて贅沢品から日常品へと変わりました。

ほかほかのご飯を、いつでも食べることができるように。

できたての料理を、みんなが楽しく囲めるように。

時代の変化とともに

和達たちは、魔法瓶だけでなく、キッチンや食卓、アウトドアへと

少しずつ、その便利さや豊かさを広げてきました。

変わりゆくライフスタイルに寄り添い、温もりのあるアイデアで、

食卓に新しい「当たり前」をつくること。

それは、私たちの果たすべき使命に他なりません。

タイガー魔法瓶

これもまた「温もりあるアイデアで、食卓に新たな常識をつくり続ける」というミッションに対して、ストーリーのようにミッションステートメントがつづられています。

まとめ

企業のミッションを具体化し、これまでのストーリーやプロセスで補足したものを社内外に発信するために作成されるのがミッションステートメントです。

ミッションステートメントは、企業の価値観や行動指針を明確にすることができるのです。

ミッションステートメントで何を発信するかで企業のイメージは大きく変わります。企業を構成する柱のひとつになるため、ミッションを作成する際はミッションステートメントの存在も念頭においておくといいでしょう。