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営業活動の成功を目指し、営業パーソンが知っておくべきSFA・CRM

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営業パーソンが自身のパフォーマンスを最大化するためには、顧客や取引先、そして案件などに対する情報を活用する必要があります。SFA・CRMは正しく理解し使いこなすことができれば、営業パーソンの武器となるITツールです。

本記事ではSFA・CRMの基礎知識やメリットから情報活用力とSFA・CRMの活用方法について詳しくお伝えします。

営業パーソンが知るべき情報とは?

営業に従事する社員(以下、営業パーソン)は、取引先と長く良好な関係を築くために、相手のことを深く知る必要があります。しかし、多くの企業では、取引先に関する情報が属人化しているという問題があります。これでは、後任の営業パーソンが引き継ぐ時やチーム間での情報共有の際に困ってしまいます。そこで、ここではまず営業パーソンが知るべき情報を以下の4つに整理してみましょう。

取引先に関する情報

これは、取引先の業種、規模、組織構造、経営方針、競合状況などの基本的情報です。

これらの情報を知ることで、取引先のニーズや課題を把握しやすくなります。この情報は競合他社も入手可能なものになるため、取引先とのコミュニケーションによってさらに詳しい情報を知り、蓄積していくことが大切です。

名刺に関する情報

これは、取引先の担当者の役職、部署、連絡先、趣味嗜好などの個人的な情報です。

これらの情報は、担当者との信頼関係を築く一助となります。

案件に関する情報

これは、取引先との商談の内容、進捗状況、決裁権者、予算、期限などの案件の具体的な情報です。

商談を有利に進めるためにはこのような情報も把握しておく必要があります。適切な提案・商談をするため、「相手が何を求めているのか」という観点で物事を考えることが重要です。

営業活動に関する情報

これは、自分や他の営業パーソンが取引先とどのようなやりとりをしたか、どんな反応があったかなどの履歴的な情報を指します。

これらの情報は、次回以降のアクションプランを立てるのに有効です。一つひとつの営業活動(面談)が重要であり、その目的を明確にしてその目的に即した情報にアンテナを貼ることで高い成果を得ることができます。

以上が営業パーソンが知るべき4つの情報です。このように情報を整理することで、取引先とのコミュニケーションがスムーズになります。また、後任者への引き継ぎや情報共有も円滑に行えます。営業パーソンは、この4つの情報を常にアップデートしておくことが大切です。

情報を属人化させないために注目されているツールがSFAとCRMです。

SFA・CRMとは?営業パーソンが知っておくべき基本知識

SFA・CRMの意味と目的

SFA・CRMとは、前述した「営業パーソンが知るべき情報」を蓄積し、関係者全員で共有・活用するためのITツールを指します。

SFAは「Sales Force Automation」の略語で、日本では「営業支援システム」などと解釈されています。SFAは、営業部門のメンバー行動や商談の進捗状況などを見える化し、営業活動の効率化や業務改善を実現するためのツールです。

そして、CRMは「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理」と訳されます。顧客に関わる情報を一元管理することで、顧客との関係性を管理するためのツールです。自社の顧客との関係性を主軸とした顧客情報の管理を目的としており、既存顧客に対してアフターフォローやクロスセル・アップセルなどを行い、長期的な関係性を築くことができます。

SFA・CRMの目的は、営業パーソンのパフォーマンスを最大化し「企業の成長・利益の最大化」することです。そのために、SFA・CRMを使うことで、取引先や案件を管理するために必要な情報を登録できさらに、営業パーソンは必要な情報をいつでも見ることができるようになっています。また、情報を社内で共有することで、営業活動の効率化や効果測定ができます。さらに、情報を活用することで、取引先との信頼関係や満足度を高めることにも効果を発揮します。

SFA・CRMのメリットとデメリット

SFA・CRMツールの導入には、メリットとデメリットがあります。

【メリット】

  • 必要な情報をいつでも見ることができること
  • 情報共有が容易になること
  • 営業活動の効率化や効果測定ができること
  • 取引先との信頼関係や満足度を高めることができること
  • モバイル端末を活用することで、写真や地図などの機能と連携できること

【デメリット】

  • 情報入力に時間や手間がかかること
  • 情報入力に対するモチベーションやルールが不十分だと、情報の質や量が低下すること
  • 情報活用力が低いと、SFA・CRMの価値を十分に発揮できないこと
  • モバイル端末を使う場合は、セキュリティや通信環境に注意する必要があること

などが挙げられます。SFA・CRMのメリットとデメリットを理解し、自分の営業スタイルに合わせて使いこなすことが大切です。

SFA・CRMの機能

SFA・CRMには、情報を蓄積・共有・活用するための様々な機能があります。

SFA:顧客管理/案件管理/行動管理/売上予測/メール配信/レポート機能

CRM:顧客管理/サポート管理/クロスセル・アップセル/メール配信

2つのツールは共通した機能もありますが、各ツールにしかない機能もあり、それぞれ異なる目的や役割があります。そのため、単体でも有効ですが、連携させることでより効果的に活用することが可能です。

SFA・CRMの機能を理解し、自分の営業スタイルに合わせて使いこなすことが大切です。

SFAの機能や役割・目的についてさらに詳しい記事はこちら↓
SFA(営業支援システム)とは?基礎知識や活用方法をわかりやすく解説!

CRMの機能や役割・目的についてさらに詳しい記事はこちら↓
CRMで顧客満足度を高める!そのメリットと導入時の重要なポイント

SFA・CRMを活用するために必要な情報活用力とは?

情報活用力とは?

情報活用力とは、SFA・CRMに蓄積された情報を、自分の営業活動に役立てることができる能力のことです。情報はただ存在するだけでは意味がありません。営業パーソンがパフォーマンスの最大化に向けて、その情報を有効に活用することができて、初めて意味のあるものとなります。

情報活用力が高い営業パーソンは、

  • 必要な情報を素早く見つけ出すことができる
  • 情報を分析して、自分の営業戦略やアクションプランに反映させることができる
  • 情報を共有して、社内の連携やコミュニケーションをスムーズにすることができる

などの特徴があります。情報活用力を習得するために重要なのは、「慣れること」です。SFA・CRMは道具に過ぎません。その道具を上手く使いこなすかどうかは、人間側にかかっています。各営業パーソンがSFA・CRMのツールを使用した情報の蓄積・活用することを習慣化することが情報活用力向上の第一歩であるといえます。

情報活用力の向上のポイント

情報活用力の向上の第一歩は習慣化であると先述しましたが、さらに情報活用力を向上させるためには、以下のポイントを意識するといいでしょう。

SFA・CRMを毎日利用すること

SFA・CRMは特別なツールではなく、営業パーソンの日常業務の中で使うツールです。毎日利用することで、情報を蓄積・共有・活用する習慣が身につきます。また、毎日使いSFA・CRMの機能に慣れることで、操作がスムーズになります。

 メモした内容はその日のうちにSFA・CRMに登録すること

メモ用のノートを持ち歩き、重要事項を素早くメモすることは大切です。しかし、メモした内容はその日のうちにSFA・CRMに登録してしまうことがもっと大切です。そうすることで、情報がリアルタイムに更新され、社内で共有されます。また、情報が一元化されることで、後から検索やレポート作成が容易になります。

Excelを卒業すること

Excelは便利な道具ではありますが、SFA・CRMの代わりに使うべきではありません。Excelでは情報のリアルタイム性や一元化が保たれません。また、Excelでは情報の履歴や変更点が分かりにくいことが難点ともいえます。SFA・CRMを使えば、これらの問題を解決できます。片方に重点を置いて利用するのではなく、どちらもうまく組み合わせて活用することが望ましいでしょう。

活動履歴情報を後から活用できる内容で登録すること

SFA・CRMには、取引先や案件に対する経緯を「活動履歴情報」として蓄積できる機能があります。この「活動履歴情報」は、「日報の本質的な目的」を果たすものです。つまり、取引先との関係性や案件の進捗状況を社内で共有し、後からその情報を活用できるようにしておくことです。そのためには、「活動履歴情報」を具体的かつ正確に登録することが重要です。

これらのポイントを実践すれば、情報活用力は確実に向上するでしょう。

SFA・CRMで自分自身をマネジメントする方法

営業戦略の基本

営業戦略とは、どの顧客に、いつ、何を提案するかを決めることであり、営業戦略の基本は、「誰に?」「いつ?」「何をする?」の3つの軸を最適に定義し実行に移すことです。この3つの軸を個人の判断に任せると、営業パーソンによってやり方や結果がバラバラになります。

そこで、SFA・CRMを活用し、会社として最適な営業戦略を定義し、指針として活用することが大切です。SFA・CRMには、顧客や案件の情報を登録・管理・分析できる機能があります。これらの機能を使って、

  • どの顧客が優先度が高いか
  • どのタイミングがアプローチに適しているか
  • どの営業内容が効果的か

といった判断基準を明確にすることができます。SFA・CRMで自分自身をマネジメントする方法は、この判断基準に沿って営業活動を行うということです。SFA・CRMは、営業戦略の基本を実践するための道具です。その道具を上手く使いこなすことで、自分の営業パフォーマンスを最大化することができるでしょう。

SFA・CRMの仕組みとルールの本質の理解

SFA・CRMは一般的にマネージャーによる組織マネジメントや営業パーソンの営業力向上、セルフマネジメントの強化のために導入されます。しかし、SFA・CRMを「自分の武器」にするためには、ただ不規則に情報を入力するだけでは不十分です。SFA・CRMには、管理項目や運用ルールがあります。これらは、会社として最適な営業戦略を実現するために設定されています。

管理項目や運用ルールは、「本質的な狙い」が込められています。その「本質的な狙い」を理解することが、SFA・CRMの仕組みとルールの本質の理解につながります。

例えば、

  • 顧客の属性やニーズを管理する項目は、顧客セグメンテーションや優先度付けをするためのもの。
  • 案件の進捗状況や見込み度を管理する項目は、案件の成約確度や期限を把握するためのもの。
  • 情報を定期的に更新するルールは、情報のリアルタイム性や正確性を保つためのもの。
  • 情報を社内で共有するルールは、情報の一元化や連携を促進するためのもの。

これらの「本質的な狙い」を知ることで、SFA・CRMを使う意味や価値が分かります。

「知るべき情報」と「管理すべき情報」を理解する

営業パーソンが案件の成約率を高めるためには「知るべき情報」「管理すべき情報」を理解することが大切であり、SFA・CRMは助けるツールであるといえます。

「知るべき情報」とは、取引先や案件に関する重要な情報です。

【知るべき情報の例】

  • 取引先の要望や課題、その背景
  • 取引先の予算や決済条件
  • 取引先の社内事情や意思決定プロセス
  • 競合他社の提案内容や価格

などが該当します。これらの情報を知ることで、営業パーソンは、自分の提案内容やアクションプランを最適化することができます。

「管理すべき情報」とは、自分たち目線で案件をマネジメントするための情報です。

【管理すべき情報の例】

  • 受注確度
  • 案件フェーズ
  • 見込み金額
  • 受注予定日

などが該当します。

これらの情報を管理することで、営業パーソンは、自分の営業状況や課題を把握することができます。

営業パーソンは「知るべき情報」と「管理すべき情報」を明確に理解し、重要な情報を取りこぼさないようにSFA・CRMを活用することでセルフマネジメントの力を高めることができます。

SFA・CRMでモニタリング指標を定義する

SFA・CRMは、営業パーソンのパフォーマンスを最大化するために、自分の営業活動をモニタリングする機能を備えています。SFA・CRMには、営業活動に関する情報や売上・利益に関する情報が一元化されています。これらの情報を活用して、自分にとって必要なモニタリング指標を自動的に作成することができます。

モニタリング指標とは、自分の営業状況を把握し、改善点を見つけるための目安です。モニタリング指標は、「結果に関する指標」「プロセスに関する指標」に分けることができます。

「結果に関する指標」は、売上や利益などの数値的な成果を管理する指標を指し、「プロセスに関する指標」は、顧客や案件に対するアプローチの質や量を管理する指標を指します。

また、モニタリング指標を定義するときは、営業戦略の基本でお伝えした3つの軸にすることが大切です。つまり、「誰に?」「いつ?」「何をする?」の3軸を最適に定義し実行に移すことが大切です。

例えば、

  • 「誰に?」の軸:優先度の高い顧客やセグメントを管理する指標を設定。
  • 「いつ?」の軸:アプローチのタイミングや期限を管理する指標を設定。
  • 「何をする?」の軸:提案内容やアクションプランを管理する指標を設定。

このようにSFA・CRMツールを活用しモニタリング指標を定義することで、自分の営業活動に客観的なフィードバックを得ることができます。

SFA・CRMで営業マネジャーができること

SFA・CRMを軸とする3つのマネジメント

先ほどまでは営業パーソンの目線からSFA・CRMについてご説明してきましたが、実際に営業現場にSFA・CRMが定着するかどうかは営業マネージャーが握っています。営業マネージャーにとってSFA・CRMは、自分の部下の営業活動を効果的に管理するためのITツールとして大いに役立てることができます。SFA・CRMを使うことで、営業マネジャーは、過去・現在・未来の3つを基本の軸として営業マネジメントを行うことができます。

【過去】
過去の経緯のマネジメントとは、取引先や案件に対する活動履歴や成果履歴を確認することです。SFA・CRMには、これらの情報が時系列で一元化されており、その情報を活用することで、営業マネジャーは、部下の営業パフォーマンスや顧客満足度を評価したり、改善点や教育ポイントを見つけたりすることができます。

【現在】
現在の状況のマネジメントとは、取引先や案件の最新情報や進捗状況を把握することです。SFA・CRMには、これらの情報がリアルタイムに更新されています。これらの情報を活用することで、営業マネジャーは、部下の営業状況をリアルタイムに監視したり、指示やアドバイスを出したりすることができます。

【未来】
未来の見込みのマネジメントとは、取引先や案件の見込み度や期限を管理することです。SFA・CRMには、これらの情報が予測可能な形で登録されています。その情報を活用することで、営業マネジャーは、部下の営業目標や予算達成に向けた計画や戦略を立てたり、調整やサポートを行ったりすることができます。

SFA・CRMは、営業マネジャーがこの時系列の3軸で営業マネジメントを行うことで、自分の部下の営業力を高めることができます。

社内コミュニケーションと情報共有

営業マネジメントにおいて、社内コミュニケーションは、情報の高度化や人材育成に置いて非常に大切です。社内コミュニケーションには、取引先や案件に関する指示やアドバイス、報告などが含まれています。

これらの情報を社内のメンバーで共有することで、

  • 同じ取引先や案件に関わるメンバーが同じ認識を持つことができる
  • 他の取引先や案件にも応用できるノウハウやヒントを得ることができる
  • 部下や後輩の営業スキルや知識を向上させることができる

といったメリットがあります。しかし、顔を合わせてや電話でのコミュニケーションやメールでのやり取りといった社内コミュニケーションの手段によっては、その内容が記録として残らなかったり、特定の人しか知らなかったり、埋もれてしまったりする可能性があります。

こう言った時にSFA・CRMを活用し、社内コミュニケーションの内容を共有することが必要になってきます。

SFA・CRMに蓄積されていく情報をうまく活用し社員間での情報格差が生まれないよう営業マネージャーはマネジメントに取り組んでいくことが大切でしょう。

実行力の強化

実行力とは、上司から部下への指示や部下から上司への報告がスムーズに行われ、約束されたことが確実に実行されることです。SFA・CRMの活用はこの実行力強化に効果的です。実行力が低いと、信頼関係が損なわれたり、組織の統率力が低下したりする可能性があります。実行力を低下させる原因のひとつに、指示や報告の内容を忘れてしまうことが挙げられます。口頭でのコミュニケーションは、意図が伝わりやすいですが、その場で終わってしまうことが多いのが現実です。また、メールでのコミュニケーションは、記録に残りますが、他のメールに埋もれてしまったり、検索に時間がかかったりすることがあります。

取引先や案件に関する活動履歴を見ることができるSFA・CRMを活用することで、上司と部下は同じ情報を共有し、上司は時系列で指示の確認ができ、部下もまた時系列で報告したことや指示内容の確認ができます。

SFA・CRMは、実行力を強化することができるツールとしても役立てることができるのです。

 次世代のマネジャー育成

SFA・CRMを使うことで、営業パーソンは、「何を見て」「何を判断して」「何を改善するのか?」という「マネジメントの型」を身につけることができます。この「マネジメントの型」は、営業マネジャーが行う組織マネジメントの基礎でもあります。営業マネジャーは、部下の営業活動やパフォーマンスを同じ「マネジメントの型」で管理し、指導やサポートを行います。そのため、営業パーソンが「マネジメントの型」を身につけることは、次世代のマネジャー育成にもつながるのです

営業パーソンが「マネジメントの型」を身につけると、

  • 自分の営業活動に対する意識や視点が広がる
  • 自分の営業状況や課題に対する判断力や考察力が高まる
  • 自分の営業力や知識に対する確認力や質問力が強まる
  • 自分の営業成果や情報に対する伝達力や知識共有力が増す
  • 自分の営業目標や改善策に対する行動力や実行力が向上する

といったメリットがあります。これらは、組織マネジメントに必要なスキルや能力にもなります。SFA・CRMを活用し営業パーソンが「マネジメントの型」を身につけることで、次世代のマネジャー育成に貢献することが可能になるのです。

まとめ

SFA・CRMは、営業パーソンにおいて、パフォーマンスの最大化に向けた武器となるITツールです。まず営業パーソンが知るべき情報を理解し、その情報を活用するために、SFA・CRMを活用していくことで、自分自身をセルフマネジメントしていくことがパフォーマンスの最大化を望むことができます。

まずはSFAやCRMのツールを正しく理解し、社員に定着させるように働きかけることが効果を発揮させる第一歩でしょう。

参照:SFA・CRM 導入効果を最大化するために営業パーソン全員が知るべきこと