- カテゴリ
- タグ
企業ロゴ(logo)デザインの重要性を解説!ロゴデザインに込められたストーリーとは?
ロゴと聞いたとき思い浮かべるのはどのブランドでしょうか?またはどんなマークでしょうか?
世の中には数えきれないほどの企業やブランドがあります。その中でも、有名であったり、自身へ馴染みがあるものだったりすると、ロゴを見るだけであの企業(ブランド)だと認知できたり、または企業名(ブランド名)を聞くとそのロゴが思い浮かぶということもあります。
起業するとき、または新しい商品やサービスをローンチするとき、このような消費者の記憶に残る「ロゴ」を制作したいと思っている経営者の方は多いかと思います。
本記事ではロゴの重要性や種類から、企業理念やストーリーとロゴの関係性、さらにはロゴ制作時の注意点まで、詳しくお伝えします。
ロゴとは?
ロゴ(logotype)の起源は古代メソポタミアの円筒印章(円筒を転がし模様を押印するもの)といわれています。
そして、時代にあわせ、硬貨や家紋、紋章などにロゴは使われ、モノや人が何であるかを表すシンボルやアイデンティティとして使われてきました。
日本の家紋は、世界でも有名なブランドであるルイヴィトンにも影響を与えたといわれています。
現代になり、ロゴはブランドと密接な関係にあります。企業や商品、サービスのブランドを象徴する要素であり、他社との差別化や自社の理念やストーリーを伝える、ブランドの顔となっているのです。
ロゴの必要性と役割
ロゴは、企業名や商品名をただ表すだけでなく、そのコンセプトや特徴、理念なども含めて視覚化したものです。
人が得る情報の90.9%は視覚から取り入れられています。
そして、ビジュアル・コミュニケーションといわれる、視覚的に伝える手段は、非常に人の記憶に対して効果的にアプローチができます。
人が耳で聞いた内容を3日後に記憶している割合は10%ですが、同じ内容をイラストとして見せた場合は35%記憶しているという実験結果がでています。
視覚を用いた顧客とのコミュニケーションはとても力を持っています。
ブランドを象徴するロゴの見た目がかっこよかったり、好感のもてるデザインだと直感的に感じると、良いイメージが長期的に記憶されるのです。
ブランドイメージを世間へ認知・確立させ、効率的に企業や商品、サービスのブランディングを行うためにはロゴは必要不可欠です。
かじりかけのリンゴマークをみたらどの国の人でも「このロゴはApple製品」と分かるように、ロゴは言葉が通じなくても、世界中で通じる共通認識となります。
このように、ロゴはその企業や商品、サービスの顔と言える大切な役割を担っており、コーポレート・アイデンティティ(CI)のなかでも非常に重要な存在なのです。
視覚によるマーケティング効果について詳しい記事はこちら↓
デザインがビジネスにおいて重要な理由
ブランディングデザインについて詳しい記事はこちら↓
ブランディングデザインとは?企業ブランディングにデザインが必要な理由について
ロゴの種類
コーポレートロゴやサービスロゴなど、目的によってさまざまなロゴがつくられています。さらに、デザインにおいてもいくつか種類が分かれています。
目的によるロゴの種類
企業や団体、組織の理念やビジョンといったアイデンティティを視覚的に表現したロゴです。
ホームページや会社案内、看板などに記載されるため、その企業を象徴するアイコンとなります。
コーポレートロゴ
商品・サービス・ブランド(ショップ)ロゴ
企業が提供するサービスや商品、ブランドを象徴するロゴを指します。
コーポレートロゴと共通の場合もありますが、企業によっては企業ロゴとサービスロゴを分けて設定することもあります。
認定・認証ロゴ
各種認証機関が定めるロゴマークで、一定の基準をクリアしているかの審査基準を正式にクリアしている証として認定ロゴマークの使用が許可されます。
国や公的な機関から認められた証であるため、安心や信頼を与えます。
デザインによるロゴの種類
一般的なロゴデザインは、文字をデザインしたロゴタイプと、シンボルとなるアイコンのみで表すロゴマーク(シンボルマーク)、そしてその2つを組み合わせたロゴマークの3種のいずれかで表現されることがほとんどです。
ロゴマーク型(シンボルマーク)
象徴するシンボルのみのロゴ。
(有名企業事例)
ロゴタイプ型
企業名などをデザイン性のあるフォントなどで差別化し表現した文字のみのロゴ
(有名企業事例)
ロゴマーク(シンボル)+ロゴタイプ型
ロゴマークとロゴタイプを組み合わせたタイプのロゴで、昨今はこのタイプのロゴが多い。
(弊社ロゴを用いた構成例)
(有名企業事例)
ブランドを認知させるにはこのようなタイプセットのロゴを主体に押し出していくことが有効ですが、ブランドの認知度が上がったらナイキやAppleのロゴマークのようにブランド名称がなくてもロゴマークだけでブランドの認知ができるようになります。
時代によるロゴデザインの変化
ロゴの使い方や使用範囲は時代と共に広がってきました。
ロゴは、あらゆるツールに自然と溶け込んでおり、商品やポスターだけではなく、パソコンやスマートフォンアプリなど、時代に合わせて、さまざまなデバイスでも対応できるわかりやすく機能的なロゴが求められています。
また、ブランドの目標は変わらずとも、ロゴが時代からずれたり、提供するサービスの価値が代わってきたりしたときなど、軌道修正が必要な場合は、いままでのロゴのエッセンスは継承しつつ、新しいブランドとしてロゴの改定が必要です。
ロゴデザインと企業理念の関係性
クリエイティブさが重要なロゴは、デザイン性が非常に重要ですが、ただそれだけを求めたロゴは推奨されません。
「なぜそのロゴのデザインにしたのですか?」
と聞かれたとき、特に意味もなく
「なんとなく」や「ただカッコいいから」
という理由では、世間から良い印象を抱いてもらうことはできないでしょう。
モノ消費、コト消費の時代から、昨今の企業はブランディングが重要視され、イミ消費やモノガタリ消費という言葉が台頭してきました。このことから分かるように、消費者は企業や商品、サービスに共感できる意味やストーリーがあるかどうかを気にするようになってきています。
ロゴを制作する場合、「なぜそのロゴにしたのか」という問いに答えられるようにするためにも、そのロゴで何を伝えたいのか、企業や商品、サービスの理念やブランドコンセプト、アイデンティティなどの顧客に伝えたい、共感してほしいイメージやその意味、歴史を視覚化しデザインする必要があるのです。
見た目だけでなく、そのロゴに込められた意味を知ることで、さらに企業や商品、サービスを好きになってもらうことができるのです。
ロゴに込めるブランドストーリー
そして、前述したように、ロゴに込める意味となる企業の理念や思想、ビジョンといったものを物語のように言語化したものがブランドストーリーです。
人々にブランドをエモーショナルに理解し、共感してもらうために心に響かせるストーリーを作ります。
内容は会社やオーナーのバックグラウンドや歴史、どういった思いでブランドを立ち上げたか、目指していきたい未来は何かなどを偽りはなく、情緒的に伝えます。
それによってブランドに関わる人や消費者はブランドに共感し、さらに深くブランドとつながり、ファンになってくれます。
このようなストーリーは単なるブランドの歴史や説明と思われがちですが、ブランドのアイデンティティを形作る、ブランドにとって最も重要な要素のひとつです。
ブランドや商品、サービスについて物語を語るように人々に伝えることで、興味をもってもらい、さらには支持してもらい、ファンになってもらうことがブランディングの理想なのです。
また、ブランドストーリーがしっかりしていると、ロゴだけではなく一貫性のあるコンテンツがつくりやすくなります。
ブランドストーリーについて詳しい記事はこちら↓
『企業ブランディングに最適な売れる仕組み作りのためのストーリーブランディング~売れ続けるために必要なストーリーの黄金律~』
企業ロゴにこめられたブランドストーリー事例
スターバックス
世界中で親しまれるコーヒーチェーン店の筆頭であるスターバックスときいて思い浮かぶのは緑の女性ではないでしょうか?
スターバックスのロゴに描かれている緑の女性はギリシャ神話の2つの尾を持つ人魚である「セイレーン」です。これは、スターバックスを創業時のメンバーの一人が、ノルウェーの木版画に描かれているセイレーンを見つけ、それをロゴに採用したのが始まりです。
セイレーンはとてもきれいな歌声で船乗りを魅了して溺れさせる海の怪物とされており、スターバックスも「多くの人々をコーヒーで魅了したい」という想いが込められています。
また、スターバックスのロゴは歴史の中で幾度か修正されており、2011年に今の形になりました。ここであった大きな変化は「STARBUCKS」と「COFFEE」というロゴタイプが消え、ロゴマークのみになったことです。
ブランドが大きくなり、世界中の人にロゴマークが認識されるようになったことで、文字で説明する必要がなくなり、現在のシンプルなロゴになったのです。
Amazon
世界最大のECサイトであるAmazonのロゴは誰しもが一度は目にしたことがあるかと思います。
アルファベットの始まりである「a」から終わりの「z」まで矢印が伸びていることから、Amazonには余すことなく、全ての商品が取り揃えられているという事を意味していると同時に、笑顔を連想させる矢印は「顧客の満足を表す笑顔」が表現されています。
ロゴタイプ型のロゴで、Amazonという社名と矢印のみで構成されたシンプルなデザインでありながら、Amazon社の思いがしっかりと込められています。
ロゴ制作時の注意点とは?
最後にロゴをデザインする上での注意点をご紹介します。
要素を詰め込みすぎない
消費者に多くのことを伝えたいという気持ちはわかりますが、あまりにも多くの要素を詰め込みすぎてしまうと、結局何が伝えたいのかわからなくなってしまいます。
有名ブランドのロゴを見てもわかるように、シンプルでわかりやすいデザインの方が多くの人に覚えてもらいやすいでしょう。
また、ロゴの色も基本的にはコーポレートカラー1色で作られるのが理想であるため、あまり関係のない色を多く入れすぎるのはまとまりが無くなってしまいます。
表現したいことは守りつつ、いかにシャープにできるかは、デザイナーとの相談が重要になってきます。
他社との類似ロゴ
世の中には数えきれないほどの企業や商品、サービスがあるため、意図せずとも既存のロゴに似たデザインになってしまうこともあるでしょう。
そのためにも、アイデアを出していく制作のスタート時から決定までには、既存のデザインに似たものがないのかよく確認するのが重要です。
流行にのってしまう
ロゴは基本的に10年単位で長期的に使用していくものです。
一時の流行に沿ったデザインではその時良くても数年後には古いものと捉えられてしまう可能性があります。
企業の顔となるロゴは一度決め、世間に出したなら簡単に変更することはできません。
ロゴを作る際は長期的に使用できるモノという視点は重要なのです。
まとめ
企業や商品、サービスなどのさまざまな場面で必要とされるロゴについて、ご理解頂けたでしょうか?
ブランドイメージの認知や効率的なブランディングを行うためにはロゴは非常に重要なのです。
また、ブランディングが重要視される昨今においては、自社に合う良いロゴを生み出すには企業の理念、ストーリーを元に制作することで消費者から共感と理解を得る事ができます。ストーリーがある強く良いロゴは時代を超えて長く多くの人に愛されるようになるでしょう。
ブランディングとストーリーの関係性についてはこちら↓
ストーリーブランディングの重要性とは