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ホットリード(MQL)判別方法とは?ナーチャリング方法を紹介

#リードナーチャリング

「即営業送客すべきホットリード(MQL)をどう判別すれば良いか?」

リードナーチャリングに関する説明や施策方法に関する記事はよく目にしますが、ことホットリード(MQL)の判別方法について書かれている記事となると、その数は少なくなります。そのためホットリードの判別方法に戸惑っている人も多いのではないでしょうか。その判別方法が分からなければ、誰を営業担当へ送客すれば良いか判断がつかず、また、リードナーチャリングの成果が不分明になります。

マーケティングオートメーションツールを活用しているから大丈夫だと思っている方も要注意です。マーケティングオートメーションツールを活用することは大切ですが、それだけでは実は商談につながっていたリードを見逃してしまっているかもしれません。

そこで今回は、リードナーチャリングのホットリード(MQL)判別方法について解説していきます。

最後まで読んで、営業に送客すべき「ホットリード(MQL)」を判別できるようになりましょう。

※MQLとはマーケ部門が創出するホットリードの意味を指します。

ホットリードの判別

リードナーチャリングは、リードジェネレーションで獲得したリード(見込顧客)に対してさらに理解を深め、買いたい気持ちを高め「今すぐ買いたい客」「すぐにでも商談を始めたい客」、すなわち「ホットリード(MQL)」に育成するのがミッションです。

「ホットリード(MQL)」は営業部門や販売代理店に送客をします。もしくはECサイトで直接販売し、クロージング(購入・契約獲得)してもらいます。

このとき問題になるのは、「今すぐ買いたい客」「すぐにでも商談を始めたい客」つまりホットリードをどのように見極めるかです。

ホットリード(MQL)か否かの判別ができていないと、「今すぐ買う気のないリード」を営業に送客し無駄足を踏ませたり、「今すぐ買う気のあるリード」に気付かず見過ごし、営業アプローチする前に競合他社に契約を奪われる可能性があります。

リードの「今すぐ買いたい」「すぐにでも商談を始めたい」という気持ちの度合いを判別することはリードナーチャリングにおいて必須なのです。これを営業活動に適した相手かどうか選定するという意味からリードクオリフィケーションともいいます。

リード判別の必要性

リードジェネレーションで獲得したリードの大多数は「今すぐ買いたい客」「すぐにでも商談を始めたい客」ではありません。

業界にもよりますが、獲得したリードの中ですぐに購入・商談したいという顧客は5人に1人~20人に1人と言われています。

つまり、獲得したリードの大半は

「買うかもしれないがいつかはわからないな」
「ちょっと興味はあるけど買うつもりはないな」
「プレゼントが欲しかっただけ」

ということがほとんどなのです。

このような状態のお客さんを営業に送客したらどうなるでしょう。

はなから成果を期待できないリードに営業活動をさせてしまい、無駄足を踏ませることになってしまいます。リードを上手く活かせないことが続くと営業のモチベーションが下がってしまいます。「こんなことなら自分たちが持っていた顧客リストに営業する方がはるかにましだ」「マーケ部門のリストなんて役に立たないよ」と言われてしまいかねません。

まともな商談に至るリードがほとんど存在しないリストをマーケ担当が営業部門に持っていったら、目の前でゴミ箱に捨てられるといった企業もあるそうです。 それほどまでにリードを選んで営業に送客することは大切になります。

リード判別(リードクオリフィケーション)の3つの方法

リードを判別することの必要性が分かったところで、いよいよリード判別の方法について見ていきましょう。主なリード判別方法は3つあります。

①スコアリングによる判別

リード判別で今もっともポピュラーに行われている方法は、マーケティングオートメーションツールによるスコアリングです。リードの行動や属性を点数化して、測定を続けていきます。そして、一定の点数に達したらホットリードとみなす手法になります。

点数の付け方

マーケティングオートメーションツールには大抵デフォルトとして設定されているスコアリングロジックがあります。例えば

メール開封:1点
メールクリック3点
無料ダウンロード7点
ウェブサイト商品ページ閲覧:3点
セミナー予約:10点
ウェブサイト上の見積ページ閲覧:20点
見積請求完了:40点
無料体験イベント予約ページ閲覧予約完了:40点
メール開封もウェブ閲覧もなし1か月間:-10点
更に1か月間なし:-20点
更に1か月間以上なし:離脱者とみなし、別途管理

またはリードの属性(肩書)によっても下記のように点数を付けます。

狙った業種企業:10点
担当者:2点
課長:5点
部長:10点
経営者:20点

上記ウェブ行動と属性を独立した要素として別々に判別する方法と、合算する方法があります。いずれにせよ基準点に達したらホットリードとみなし営業に送客するといった具合です。

注意が必要なのは、行動が減ったときにしっかりと減点することです。累積ではなく、「今の温度感」を把握することがリードナーチャリングにとって大切なのです。

最初はツールのデフォルトとして準備されているスコアリングを使いますが、使っていく中でより適正なものに変更を加えていくようにしましょう。

「どこどこのウェブページを閲覧した人は今すぐ買ってくれる可能性が高いから、スコアを10点から20点に上げよう」だとか、

「基準点が100点だとハードルが高すぎて有効な人数を送客できないので80点以下に下げよう」といった場合です。

マーケティングオートメーションで点数を付けたら終わりではなく、スコアリング自体のPDCAを回して行くことが必要になります。

②特定行動による判別

続いては、特定行動による判別です。

マーケティングオートメンションによるスコアリング機能は大変便利ですが、万能ではありません。実際にスコアリングで判別してみた結果、「スコアリングが十分高いが有効な商談に結び付かなかった」「スコアリングが低いリードだったはずが、一気に商談化して受注に至った」という事態は良く起こることです。

そこで何らかの特定行動をこちらで決定し、その行動をした顧客をスコアリングとは関係なくホットリードと見なし営業送客するのです。

「見積請求してきた」「無料体験イベントに参加申込した」「無料相談の予約をしてきた」等の行動は一般的に既に「今すぐ買いたい」モードに入っていると見なすことが多いでしょう。

ある企業では、データ分析を行ったところ「コラム等のお役立ちコンテンツページを複数回閲覧」「事例ページを複数回閲覧」「企業情報ページを1回でも閲覧」したリードの7割以上が商談化したといった事例もあります。

データを集めたら、しっかりと仮説をたてて検証を行い、仮設通りだったか否か判断することが大事です。

③アンケートによる判別

手っ取り早く行える判別方法があります。リードにアンケートで直接聞いてしまうことです。

BtoCアンケート例

「問:いつ頃買う予定ですか?」

  1. 2か月以内に買う予定
  2. 半年以内に買う予定
  3. 買いたいとは思うがいつかはわからない
  4. 情報収集中であり、買うかどうかは未定
  5. 別に買いたいわけではない

この場合ですと、①と答えた人はホットリード(MQL)、もしくは②も加えてホットリード(MQL)と判別して、営業に送客しても大丈夫でしょう。

BtoBアンケート例

「問:いつ頃買う予定ですか?」

  1. 導入決定で目下発注先選定中
  2. 導入決定に向けて社内で検討中
  3. 導入すべきか否か研究中
  4. 初期情報収集段階
  5. 導入は考えていない

こちらの場合も①と答えた人はホットリード(MQL)、もしくは②も加えてホットリード(MQL)と判別して大丈夫でしょう。

注意しなければならないのは、アンケートをリード全員に聞けるのはリード獲得の時だけだということです。資料ダウンロードの時等の申込場面でアンケートする時が唯一のチャンスなのです。

アンケートを送る自体はいつでもできますが、リードになった後のアンケートを依頼しても回答してくれる人は僅かです。1000円のアマゾン券を謝礼に掲げても回答率は10%行くか行かないかではないでしょうか。フォーム記入時のアンケートは二度とチャンスのないかけがいのない場なのです。

リード判別(リードクオリフィケーショ)で大事なのはPDCA

デジタルマーケティングはどんな時でもそうですが、大事なのはPDCAを回すことです。

「弊社では〇〇と□□の行動をした顧客をホットリードにしよう」

と一度決めて終わりするのではなく、本当に適切な判別となっているのかデータで検証をしましょう。

それぞれの判別方法からホットリード(MQL)化したリードがその後、ちゃんと商談になったか否かを検証してその結果で見直すのです。

定義を途中で変わると成果の時系列変化が追えなくなりますが、適正かどうかの判断の方が重要になります。

リード判別(リードクオリフィケーション)においてよくある疑問

実際にリードナーチャリングに取り組むと、出てくる課題があります。

①コールドリードとウォームリード

ホットリードの判別方法は分かったが、コールドリードとウォームリードの区別をどうつければいいのか分からないということは多くあるのではないでしょうか。

マーケティングオートメーションのエンゲージメントシナリオを描く場合、リード理解の度合いや買いたい気持ちの度合いによって何段階のステージに分けることがあります。ここで問題となるのは、企業によって何を持って次のステージに遷移させるのかが異なるということです。これもまた、仮説を立ててデータの検証をするPDCAが必要になります。一般的には「リードにはなったものの理解も浅く当面買う気のないリード」⇒コールドリード、「今すぐ買いたい、買う気満々のリード」「すぐにでも商談を始めたいと思っているリード」⇒ホットリード、その間のリード⇒ウォームリードなので、仮説でも良いので具体的に規定します。
詳しくはこちら↓
DL資料:『エンゲージメント・シナリオ作成の秘訣

②インサイドセールスのアプローチ開始時期

ホットリード(MQL)になったら、営業へ送客するのがリードナーチャリングの基本ですが、インサイドセールスはホットリードに至る前のリードへのアプローチもした方が良いのではないかという議論が発生します。少しでも商談を創出したいインサイドセールスとしては、マーケ部門のホットリード化を待っていられないためです。これに関しては、正解がないので、マーケ部門とインサイドセールス部門の意識合わせをすることが大事になります。そうでないと「折角時間をかけて丁寧に育成しているのに、インサイドセールスが土足で入ってきて育成中のリードを食い散らかし成果を持って行ってしまった」という、リードナーチャリングチームにとっては不本意な事態も発生します。

③獲得リードによる課題

獲得リードが少ないために、リード全員に営業がアプローチをしてしまう状況があります。これだとリードナーチャリングなんて不要だと営業に見なされてしまいます。これは、リードの絶対数が不十分なため、リードジェネレーションの段階に課題があることが考えられます。「人数が多くしかも玉石混交すぎてマーケ部門が前裁きをしてくれないと困る」といった状況がリードナーチャリングにとっては望ましい事態なのです。リードナーチャリングが大きな成果を上げるためには十分なリードがある、すなわちリードジェネレーションが成功していることが重要となるのです。

いかがでしたでしょうか。

「ホットリード(MQL)」を判別することは大切ですが、それ以上にPDCAを回していくことが大切なのです。ホットリード(MQL)の基準を一度決めたら終わりではなく、しっかりと営業に送客した後に適切な判別であったのか検証をするようにしましょう。

リードの判別は、営業やインサイドセールスチームとの連携も大切になるので、社内が一丸となって取り組むことが大切です。