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ストーリーブランディングの重要性とは

#ストーリーブランディング

皆さんは本や映画等で心に残っている物語はありますか?良い物語には人の心を動かす力があります。この物語が持つ力をマーケティングに活かす手法である「ストーリーブランディング」が、現在多くの企業から注目を集めています。本記事ではブランディングになぜストーリーが重要かを解説します。

ブランディングの重要性

昨今、企業のマーケティングにおいてブランディングは欠かせない物になっています。

ブランディングは、言いたいことを一方的に言う広告とも、メディア等の第三者を介し伝えるPRとも違います。ブランディングができている企業は消費者へ直感的に良さを伝える力をもっています。企業や商品、サービスの強み、本質を見極め、その本質を分かりやすく概念化し、消費者が直感的に感じるかたちに体現することがブランディングの本質なのです。

ブランディングはイメージ戦略と思われがちですが実は経営戦略であり、良いブランディングはビジネスに直結します。ブランディングの最終ゴールは顧客ロイヤリティの獲得、すなわちファンになってもらう事です。そのため中小企業こそ取り組むべき施策です。

実際にブランディングができている企業は毎年膨大な広告費をかけている企業よりも3倍の成長率があり、更に、ブランディングをした上で広告を実施している企業の成長率は特に何もしない場合の8倍に膨れ上がります。

ブランディングをするだけでも企業ブランドの評価は得られますが、ブランディングをした上で広告を打つことが、最も費用対効果が高くブランド評価の上昇とともに企業成長を促進させることができるのです。

(世界最大のブランド資産データベース『Branzd™/Millward Brown』より)

ブランディングについてもっと詳しく知りたい方はこちら↓
『ブランディングとは?正しい意味や使い方を分かりやすく解説』

重要なのは世界観をつくること

ブランディングで何よりも大切なことは世界観を統一し、方向性を一貫させることです。企業のロゴやwebサイト、広告、パンフレットなど、これらの世界観がバラバラでは、一貫性がなく、何を目指し、伝えたいのか伝わりません。しかし、世界観を統一しブランディングをした場合、すべてのものが核となる方向を向き一貫性が生まれ、企業の目指しているものが明確に伝わります。

出展:「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたい事」p99(小山田 育、渡邊 デルーカ 瞳 著)

このように、世界観が出来上がっているブランドにはその企業や商品・サービスの背景がみえます。この背景にあるストーリーが世界観の核であり、消費者の心に残り、ブランドをブランドたらしめる情緒的価値が生まれるのです。

情緒的価値とはその企業、商品・サービスのストーリーやデザイン、ビジョン、社会貢献的要素のことを指します。実質的価値(品質、性能、原料など)とこの情緒的価値が加わることで、消費者に共感が生まれ、その企業、商品・サービスのファンになるのです。

出展:「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたい事」p63(小山田 育、渡邊 デルーカ 瞳 著)

感情に働きかける「ストーリー」の持つ力

人間は生き残るため、学んだ知恵を仲間と共有する手段として「言葉」を発明し、文字が生まれる以前から、人は口頭伝承で様々な知恵を後世に伝えてきました。それは神話や昔話のようにが実際に今に伝承されています。「情報」や「知恵」を伝えるだけであれば、箇条書きのような形で伝えてもよかったはずです。しかし、そうなっていません。なぜなら、ストーリーには人の感情に働きかける効果があるからです。人は太古の昔からストーリーの力を活用してきたのです。

そしてこの感情は「記憶」に大いに影響します。過去6度、記憶力日本選手権大会で優勝した池田義博氏は、記憶力の向上には「感情」に絡めて記憶することが大事だと述べています。

記憶をつかさどる脳の一部「海馬」のすぐ隣には、感情に反応する「扁桃体」という部分があります。感情が動いて扁桃体が強く働くと、すぐ隣にある海馬も同時に強く働きます。つまり、感情をともなう物事は強く記憶されるのです。こうした感情を含む記憶のことを「エピソード記憶」と言います。

ブランディングにおいて「記憶される」ということは非常に重要です。ストーリーがあるブランドはそのブランドを一目見るだけでどんな企業かという事がすぐに想起されるのです。

ストーリーブランディングとは

「良いストーリーとは”カルピスの原液”のようなもの」という秋元康氏の言葉があります。

カルピスは水で割ってカルピスウォーターにしてもいいですし、ソーダで割って、カルピスソーダにしても美味しい。果汁と混ぜてもその風味は色褪せず、果実の魅力を引き立たせます。そんなブランドにおける核となるストーリーをつくり、そのエッセンスを展開していくのが、ストーリーブランディングです。

企業や商品・サービスには必ずストーリーがあります。開発のきっかけ、開発の苦労や挫折、道のりがないものは存在しません。そのストーリーを核に、ロゴやサイト、広告など、世界観を統一して展開していくことがストーリーブランディングの一歩に繋がります。

企業ブランディングに最適なストーリーブランディングについてさらに詳しい記事はこちら↓
ストーリーブランディングとは?ストーリーブランド戦略の事例を解説

ストーリーブランディングと書籍の親和性

物語という単語を聞いて本を思い浮かべる人が多いように、ストーリーブランディングにおいても書籍というのは非常に相性がいい媒体になります。

企業や商品・サービスのストーリーをディープコンテンツである書籍にまとめ出版することを企業出版といいます。企業出版ではその企業が伝えたいストーリーを十分に詰めこむことが可能です。

近年、マーケティングにこのような書籍を活用する企業が増えてきました。マーケティングに必須であるブランディングにディープコンテンツである書籍を核にしてプランニングを行い、マーケティング活動に展開させるのです。書籍というのは元々信頼が補償された媒体であるため、書籍の信頼=企業の信頼につながります。そして、その書籍にファンが生まれれば、そのファンは企業の見込み客といえます。

また書籍をターゲットメディアにしたマーケティングであるブックマーケティングは、オンライン、オフライン共に様々な広がりを見せているため、ストーリーブランディングを考えている企業様には非常におススメな施策のひとつです。

まとめ

本記事ではストーリーブランディングについて紹介してきました。企業のマーケティングにおいて欠かせないものとなったブランディングは、ビジネスに直結する経営戦略であり、多くの企業が取り組むべき施策です。そして、そのブランディングにおいて重要なのは世界観であり、その世界観を創り出すには、企業の背景であるストーリーが大切なのです。

感情に働きかけるストーリーを核として、ストーリーブランディングは展開されます。また、ストーリーブランディングには書籍の活用が効果的であることを説明しました。

ぜひ、あなたの企業がもつストーリーも書籍に載せて世間に発信してみませんか?

物語を使った新しいマーケティング方法についての記事はこちら↓
ナラティブとは?意味やビジネスにおけるストーリーとの違いを解説!